はるか昔、20年ほど前になりますが当時北京に留学していた
高校時代の友人を訪ねて中国に行ったことがありました。

あの頃の中国は現代の中国とは全く隔世の感がありました。
飛行機で数時間のところにあるのに、まるで
時代を50年くらい遡ったのかと思わせるほど
当時の中国はまだまだ前時代的な雰囲気でした。

貧乏だったので安い部屋を最初の2泊だけ予約していきました。
到着してみたら、かなり古いホテルでびっくり。
でも、まあ、仕方ないかと思ってフロントで鍵を受け取った後
部屋に行きました。

部屋も古くて、埃っぽいのです。
ベッドのカバーも怪しい。
もし、カバーを叩いたら埃が舞い上がりそうで、
怖くて、そぉっ・・とカバーを外しました。

その時、冷たい風が吹いてくるのを感じたので
ふと窓のほうを見ると、窓が開いたままになっているのです。
まだ3月でした。北京の3月はまだまだ真冬のような寒さです。
窓を閉めなきゃと思って、重い窓枠を動かそうとしたのだけれど
動きません。

それで思いきり、えいっ!と力を入れて窓を閉じたら
窓は閉まったのですが、その勢いでなのか、今度は・・・
天井の板がそのままドサッ!と落ちてきてしまいました。@@;

部屋に入った当初から、天井が「なんかずれているなー・・」と気にはなっていたのですが。
天井にはタタミ一畳分くらいの穴が空き、部屋はモウモウと埃に巻かれてしまいました。

もし私が、あの落ちてきた板の下に立っていたら、きっと怪我していたでしょう。
きゃー大変なことになってしまったわ、と思って、
すぐにホテルの従業員の人たちに知らせにいったのですが
日本語はおろか、英語も全然通じません。

後日、私は中国の人とは筆談でコミュニケーションするということを
学んだのですが、この日はまだそんな余裕もなく、
いくら説明しても、埒が明かないので、スタッフの方の腕を引っ張って
部屋に連れてきてみてもらいました。

他の従業員の人たちもいっぱい集まってはくるのですが
私の部屋の惨状を見て、みな大笑いするばかりです。
もうたまりませんでした~。
別の部屋を用意してもらって、そちらに泊まりましたが。

旅行に出るとハプニングはつきものというくらい
いろんなことがありましたが、この時のことは
中国旅行の思い出として、最初に思い出す事件(?)です。

先日、この話を知人にしたら、その人が以前、某国に出張に行った時に泊まった
僻地のホテルでは、床が抜けた、と言ってました。
床が抜ける?なんて、コメディの世界だけの話のようですが、本当に床の一部がまるごと
下の部屋に落ちてしまったとか。

こちらのほうが、恐ろしいですね。
これは、私の20年も前の体験ではなくて、
つい1-2年前に起こった話だそうですよ。

ご本人が落ちた場所に立っていなかったこと、
それから下の部屋には誰も泊まっていなかったため
大事故に至らずに済んで本当によかったと思うのですが、
あまりにも杜撰な管理で驚いてしまいました。

海外に行ったり、日本にいても外国人と仕事をしていると
日本の常識が全く通じない、ということは
いくらでもあるのですが、ふと思い出したので書いてみました。