10年と少し前に山田洋次監督の作品で
「学校」という映画がありました。
西田敏行が演じていた主役の先生は実際の夜間中学校の
教師をされている方をモデルにしたものですが、
今週はこの先生ご本人の講演会を聴きにいく機会がありました。

教育とはどういうことなのかということについて、
今まで気づかなかったことに
はっと気づかされるようなお話がたくさんありました。

勉強は何のためにするのか、
それは人に勝つため、人の上に立つため、いい学校に入るため、
人より優越感を持つため、プライドのためにするものではないのです。
学ぶこと、知らなかったことを知るという喜びを通して幸せになること、
本当はそれが勉強の大切な部分なのです。

夜間中学校のこと、そこに通う方々のこと、
社会の底辺で、人目を避けて生きている人たちに対してどれほど自分を含めて
世間が無関心でいるのかということ、大変考えさせられる内容でした。
社会的な弱者に対するその先生の温かな眼差しには
感銘を受ける一方で、そういうことを知らずにいたというか
知ろうとせずにいた自分のことについて反省してしまいました。

講演会のあと、図らずして、主催者の方と奥様と、司会者の方と
その先生と私の5人で、夕食をご一緒させていただくことになりました。

近くでお話をしていても、全く気負いがなくて温かなお人柄が
伝わるような先生で、いろいろお話を伺うことができました。
前の日には予想もしていなかった、とても素敵な日になりました♡

私自身は、勉強は自分の人生を豊かにするためにやることだと思います。
単なる知識をデータベースのように増やしていくのではなくて、
学ぶこと、勉強を通して考えることによって
社会や人間に対して表面的なものではなく、
もっと深いところにある物事の本質を見抜く力を
身につけるためにするのではないかと。

今回の話を聴いて、勉強は自分のためでもあるけれど
他者への思いやりを育てること、これもあるのではと思いました。

知らないうちに自分の中で謙虚さを失っていることはないか、
自分中心でものごとを考えていることがあるのではないか、
最近は残業がなくて自由な時間が増えたのでこんなことも
ぼんやり考えることもあったのですが、先生のお話を聞いて、
もう一度自分の足元を見直したい気持ちになりました。




映画「学校」の私の感想は↓
http://blogs.yahoo.co.jp/green_green_621/9391686.html

映画の主人公になった先生がお勤めの中学校のHPです↓
http://www.adachi.ne.jp/users/adach4-j/yakan/index.htm
夜間中学に通っている人にはいろいろな問題を抱えている方や
理由あってホームレスだった人がかなりいるそうです。
殆どの生徒さんが高齢の方だそうです。
「給食」の項目をみてはっとしました。
漢字の上に全部ふりがながふってあるのです。