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大津市にある天台寺門宗の総本山。
今回初めて行きました。
広い境内に近江八景のひとつである「三井の晩鐘」や
弁慶の引き擦り鐘をはじめ国宝、重要文化財が点在している
立派なお寺でした。

なぜ三井寺と呼ぶのか。
これは天智、天武、持統三天皇の産湯に使った霊泉が沸くことに
由来しているそうです。
今もその泉はぶくぶく・・という音を立てて
沸き出でています。
天智天皇の8世紀の頃からこの泉はここに存在してきたのかと
思うと感慨深いものです。

このお寺は歴史の中で他の寺社など権門勢力との抗争や騒乱を潜り抜けてきました。
その中で守り継がれてきた貴重な仏像や建物などを観ることができてよかったです。
不動明王の像など背後にめらめらと燃える火の形、リアルな表情、見ごたえがありました。
これを彫った人の細やかな観察眼には敬服です。

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境内は時折休憩しながら、ぶらぶら歩いて一時間くらいで回れました。
何より、日曜だというのに、この参拝客の少なさ。
静かでゆったりと流れる時間。
これでこそお寺巡りも楽しめます。

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数ある重要文化財の中から、これは弁慶の引き擦り鐘。
奈良時代に作られたそうです。
隣にに写っている人と比べても結構大きいのがわかります。
弁慶が三井寺からこの鐘を奪って比叡山へ引き摺りあげ、撞いてみたところ
この鐘は「イノー、イノー」と響いたそうです。
関西弁で「帰りたい」という意味だそうで。
漢字に当てはめると「往のー」?

鐘がこんなふうに泣くので弁慶は
「そんなに三井寺に帰りたいのかっ」と怒って鐘を谷底に
投げ捨ててしまったという伝説が残っているそうです。
こんなに大きい鐘を人間が持てるなんてありえませんが、
弁慶がそれだけ力持ちだったということを伝えるお話ですね。