今月もあまり映画館に行けませんでした。
見逃してしまった作品がたくさん・・(T.T)

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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

この週末に観てきました。3時間10分ありましたが
全然その長さを感じなかった映画でした。
この事件の時、私はまだ小さかったのでリアルタイムでは何も覚えていません。
でも「激動の昭和史を振り返る」みたいな番組で必ずVTRが放映される事件なので
大きな鉄の塊が雪山の山荘を破壊する映像がすぐ頭に浮かびます。

これまでなんとなく知っているという程度だったこの事件のことを
多少ながらも理解できるようになった気がします。
そしてこの作品がマスコミ、警察、政府など「権力」の側からではなく
事件に関与した若者達という「内側」から描かれているという点で
大変興味深かったです。

観終わって、60年代の学生運動がなぜ当初の思想から大きく外れて
あそこまで悲惨な終焉に至ったのか、それを想うと
言葉にならない哀しさ、切なさを感じずにはいられませんでした。

閉ざされた雪山の中で人間が狂気を帯びていく過程が本当に怖かったです。
当初は意思の弱い兵士を鍛えるため、と行われていた暴力行為が
加速度的に変質、エスカレートして「処刑」という恐ろしい行為に変わっていく。
権力闘争とか、チクリとか、自分がやらなければやられてしまう・・という
若者達の精神状態が革命思想とは全然違う異常な方向に振れていってしまう。

作品の最後、あさま山荘で5人が立て籠もっていた時、一番若かった男の子の
「自分達には勇気がなかったからこうなったんだ」という慟哭のような叫び声、
それが一番心に残りました。

自分がもしあの時代に20歳くらいだったらどんな生き方をしていたのだろう・・と
映画館からの帰り道、車を運転しながらそんなことも考えてしまいました。

もう少しこの辺は勉強してみようと思って本も一冊買ってきました。

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大いなる陰謀

これも娯楽とはかけ離れた社会派ドラマでした。
出演俳優はトム・クルーズ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード
大物ばかり。^^
野心いっぱいで人間性を失いつつある政治家、
真実を伝えようとしていたけれど、明日の生活のためにそれを諦める記者、
優秀だけれど無関心な大学生、
それを諭そうとするけれど結局できない大学教授、
米国でマイノリティという立場に置かれ自分達の意見を聞いてもらうため、
議論より行動を取り戦場に志願するメキシコ系、アフリカ系の若者。

あさま山荘の映画を観たときにも感じたのですが、
両方の作品には無気力な現代に生きる私達への批判というメッセージがあるように
思いました。

作品の原題は「Lions for Lambs」というのですが、
「大いなる陰謀」という訳は、うーん、いまいちかな、という気がしました。
この言葉についてちょっと調べてみたのですが
Lions for Lambs(羊のために戦うライオン達)という言葉は
第一次世界大戦時、ライオンのように勇猛果敢に戦う英兵に対し、
臆病な司令官を見て独軍の司令官が使ったものだそうです。
無能な羊を守るために勇気あるライオンが犠牲になっているという意味で。
ということを考えると、もうちょっと違う邦題でも良かったかな、と思いました。

この作品では、世の中のことをわかってもいないくせに、
頭でっかちでわかった気になっている大学生の男の子の姿、
途中から観ていてすごく虚しく感じて痛くなってきました。
偉そうなことばかり言ってるわりには何も行動しないでいるところ、
なんか自分自身にチクっときてしまったからでしょうかね・・・><;