明日への遺言
藤田まことさん主演の戦後のB級戦犯裁判をテーマにした話でした。
この人の強く、誇り高く品格のある生き方に大変感銘を受けました。
A級戦犯を裁いた「東京裁判」の映画での冷酷なやりとりの場面に比べると
裁く側が戦犯に対してこんなに温情をかけようとしていたのはほんとかな?とも
思いましたが、すごくいい映画でした。
映画を観た翌週、部下の罪を一人背負って
処刑場の露と消えていった岡田資中将の人間性の素晴らしさのことが
職場でも話題になりました。



再会の街で
2001年の同時多発テロで妻子を失った男性の苦しみの日々と
彼の友人との交流を通した再生の物語。
あの事件以来、実際にこの映画の主人公と同じような
運命をたどった人がどれだけ多くいることか。
これはすごくいい映画だったと思いますが、
残念なことに映画館での上映中、バリバリボリボリお菓子を食べている
人がいて、その煩さで、とうとう感情移入できないままに終わってしまいました。
映画代を返してほしいくらいです。


バンテージポイント
大統領暗殺の真相を、8人の目撃者、8つの異なる視点で追ったストーリーでした。
まさにハリウッド映画、といえるアクションシーンいっぱいの映画で、楽しめました。
主演のデニス・クエイド、
この人、誰だったっけ・・と思いながら観てましたが、
そうそう、メグ・ライアンの元旦那さんでしたね。


君の涙ドナウに流れ
1956年のハンガリー動乱が背景。
東欧の小さな国々はその歴史を見るとソ連や西側の国に
翻弄され、蹂躙され、本当に大変な歴史をたどっている国が多いですね。
暴力で自由を抑圧するということは絶対に許せないことです。
今だにこうした問題は世界各地で見られます。
観終わった翌日もその翌日も余韻をひく作品でした。


チームバチスタの栄光
難易度の高い心臓手術「バチスタ手術」を26回連続で成功させていた
チーム・バチスタでしたが3度続けて患者さんが術中に死亡してしまいます。
厚生労働省から派遣された役人がこの事件(?)を調査することで
意外な人物が犯人だったということがわかる・・という話です。
役人を演じた阿部寛、最近は大活躍ですね。
最後に誰が犯人だったかわかりますが、私はなんとなくこの犯人の
心境がわかる気がしました。
放火犯は自分のつけた火で火事が起こり、周りが大騒ぎしていることを見て
自分の存在を確認するといいます。
三島由紀夫の「金閣寺」という小説でお寺を燃やしてしまった
僧侶もきっとこの手の人だったのでしょう。
この作品での犯人も普段は脚光を浴びることのない人間で
自分の仕掛けで手術中にトラブルが起こり、周りが動揺し、焦る姿を見て
自己の存在を認めていたのかもしれません。
歪んでますがこれも人の心理ではないかと思います。
とはいえ実際こんなことがあってはいけないのですが。