イメージ 1

この週末はいつも行っている映画館で20年ほど前の名画、
「ニューシネマパラダイス」が上映されていたのでそれを観てきました。
ビデオでは何度も観ている作品ですが映画館のスクリーンで観るのは今回が初めてでした。

映画少年だったトトと彼の人生に影響を与えた映画技師アルフレードの交流と、
トトの成長過程を大人になった彼が記憶の中で振り返るというストーリーですが、
アルフレードがトトに遺品として残したフィルムがスクリーンに映し出される
最後のシーンはまさに感涙もの。この映画のクライマックスで何度観ても
ぐっときます。

トトの故郷、シシリーの田舎町の人情味豊かな情景、また、故郷を出ていって
30年間戻らなかった息子を待ち続けていたトトの母親の姿も印象的でした。

大人になったトトは都会で映画人として成功し、富も名誉も手にいれるんですね。
女の人はいくらでも寄ってくるのだけれど、彼は心のからの充足は感じていない。
そんな状況も30年間逢っていない母親はよくわかっているんです。
「あなたにはいつか、良い人と一緒になって落ち着いてほしい。
電話をかけるたびに違う女の人が出るけれども
まだあなたのことを心から愛している女性の声を聴いたことがないわ」
って言うところ、つくづく母親というのはすごいなあと思いました。

好きな映画はそれこそ何度も繰り返して観るのですが、
鑑賞時の年齢でその作品の受け止め方や印象に残る部分が違っていたりします。
昔は理解できなかった部分に共感できるようになったり、
逆に以前は感動したセリフや場面をなんとも思わなくなったり。
後者の場合は、自分の心が硬くなってしまったのかなと、なんとなく哀しくなります。(;_; )

そういえば一度レンタルでこの作品の3時間完全版を観た事があります。
元々はもっと長かったストーリーを劇場公開版では短めに編集しているんですね。
私個人の感想としては、完全版、ディレクターズカット版は
往々にして「観なきゃよかった」と思うほうが多いです。
監督の思い入れの強さは感じることができるのですが・・。

この作品でも完全版では中年になったトトが初恋の女性エレナと
再会する場面があるんですが、この場面は要らないなーと思います。
若かった頃の恋というのは二度と逢うことがないからこそ、
美しく詩的な思い出としてその人の心の中に残るものじゃないでしょうか。
逢って現実を見てしまったらダメでしょう。
私は年を取っておばちゃんになっていたエレナを観てちょっとがっかりでした。

それからもうひとつ気付いたのですが、最近は映画館でばかり映画を観ているせいか、
20年前の作品ということで随分古さを感じました。
画像ももちろんですが、ストーリーのテンポの違いです。
話の進展具合がこんなにゆっくりだったかなあと思うほどでした。
それだけ現代は何もかもがスピードアップしたということなのかな。

まとまりのない感想ですがこのへんで。