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アメリカンギャングスター

監督: リドリー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン(フランク・ルーカス)、 ラッセル・クロウ(リッチー・ロバーツ)

ベトナム戦争の頃のアメリカを舞台にした裏の世界に生きる麻薬王と
彼を追いかける正義感の強い警察官の話。
2時間半という上映時間が全然長く感じなかったくらい。
リドリー・スコット監督の実力ですね。さすが。
それに警察の腐敗がここまで酷いとはショックでした。
何を信じたらよいのかわからないことの空恐ろしさは
麻薬王フランクが最後に捕まる時に履く言葉から痛いくらいに伝わってきました。
当時のアメリカがどれだけ病んでいたかがよくわかる映画だと思います。

それにしても意外だったのは今回の配役でした。
デンゼル・ワシントンが裏の世界のボスなのです。
インテリ系でどちらかというと「正義の味方」の役が多かった彼が
ギャングかい?と思いましたが、知性の滲む悪役というのもよかったです。
この麻薬王フランク・ルーカスという人は実在の人物で今もまだ存命だそうです。
もう一回観てもいいかなと思う作品でした。




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この道は母へと続く
原題: ITALIANETZ/THE ITALIAN
製作年度: 2005年、ロシア

ロシアの孤児院で暮らす6歳の少年が実の母を探しに孤児院を脱走する話です。
これも実話だそうです。
本当の母親の顔さえ知らない、でも一度も会ったことのない母親への
憧れは消えることがないのです。
「母を尋ねて三千里」の現代版のような話でした。
映画は多分ハッピーエンド。
多分・・と観る側に想像させる作り方が良かったです。
あの男の子、どうぞお母さんと幸せに暮らしていますように。




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歓喜の歌

監督: 松岡錠司
出演:小林薫、安田成美、伊藤淳史、由紀さおり、浅田美代子
田中哲司、藤田弓子、根岸季衣、

立川志の輔さんの落語が原作になっているそうです。
セレブママさんコーラスと庶民ママさんコーラスの二つが
同じ会場にダブルブッキングしたことから始まるドタバタを描いた作品でしたが
コメディーでありながら、じわっと泣かせる部分もあって
私はこの映画には高得点をあげたい気分です。

小林薫の全くやる気のない公務員役、とてもはまっていました。
パートで働く主婦役の安田成美の前向きな生き方や笑顔にはすごく救われました。
いろいろな人生があって、みんな、それぞれの問題を抱えているけれども
みんながあと少しだけ他者への思いやりや配慮を示せば
人生はとても美しく幸せなものになるのではないかと思いました。
勝手な解釈ですが、それが大事なことだよ、
っていうのがメッセージだったのではないのかな。

映画の最後に「あの鐘を鳴らすのはあなた」の歌が流れるのですが

  あなたに逢えてよかった
  愛しあう 心が戻って来る
  やさしさや いたわりや ふれあう事を
  信じたい心が 戻って来る

っていうフレーズがこの映画にぴったりな感じしました。
(でも歌声は和田アキ子じゃなかったですよ。男性ボーカルでした。誰でしょうか?)

セレブママコーラスのリーダーが由紀さおりでした。
お姉さんの安田祥子さんも同じグループで歌っていたり、
原作者の立川志の輔もちょい役で出てきたりして配役も面白かったです。
これもハッピーエンドです。




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エリザベス:ゴールデン・エイジ

監督: シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット(エリザベス女王1世)、
ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム)、
クライヴ・オーウェン(ウォルター・ローリー)
リス・エヴァンス(ロバート・レストン)
サマンサ・モートン(スコットランド女王メアリー)


10年前にもケイト・ブランシェットが主役を演じた同じエリザベス一世の映画がありました。
その頃、私はまだオーストラリアのシドニーに住んでいて、向こうでこの作品を観ました。
個人的なことですがあれから10年も経つんだなと大変感慨深い思いでした。
前作で玉座に座ったケイト・ブランシェットの姿があまりにも
エリザベス一世の肖像画の雰囲気に似ているので驚いた記憶がありましたが、
彼女は今回の映画でも一層威厳を身に付け、女王としての風格ばっちりでした。

この映画の時代、イギリスはスペインの無敵艦隊に打ち勝ち、
世界史の主役の座はこの時を境にして、スペインからイギリスに移ります。
イギリス繁栄の礎を築く女王としての立場の裏で
一人の女性として苦悩するエリザベスの姿が描かれていました。
実際のエリザベス女王もこんな弱い部分があったのでしょうか。
あったほうが一般の人からの共感は得られる気がしますが、
実際、国家の元首になるような立場の人間は、
個人的な感情に振り回されているようでは務まらなかったと思うので
やっぱりこれは映画の中だけの話であるような気がします。
映画の中ではエリザベスはスコットランド女王のメアリー処刑にも反対し
苦悶していましたが、従妹とはいえ政敵であるメアリーのことは葬りたかったのが
本当のところではないかと思いました。

これも映画の話には関係ないですが主役のケイト・ブランシェットも
脇役のジェフリー・ラッシュもオーストラリア人です。
あ、それから、ラッセル・クロウもオージーです。
オーストラリア贔屓の私としてはこの国の俳優さんたちがハリウッドで活躍してくれるのが
なんだか嬉しいです。

今月は今のところ映画は4本。
今週末も多分観ると思うのでまたその時はアップします。