前回書いた大和ミュージアムのこと、全部書ききれなかったので続きです。

館内には歴史の負の遺産も多く展示されています。

今回、ここで見たいと思っていたのが人間魚雷「回天」でした。

去年、人間魚雷で特攻に向かう若者たちを描いた「出口のない海」という映画を観ました。

私はそれまで回天のことを知らなかったので、大変ショックを受け、

あの映画のあと、空恐ろしい気持ちで映画館を出ました。

戦争のことを知るためにも、これは絶対自分の目で見なきゃと思っていました。

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隣に普通の魚雷も並んで展示されていましたが、

回天はこの普通の魚雷に人間一人が座れる部分を付けただけ。

小さいんです。

この小ささが余計に怖い。

この他にも海龍という特殊潜航艇も展示されていました。

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これは二人乗りで回天よりも一回り大きなものでしたが、

魚雷を双方に積み込んで、魚雷二基を発射したあと、

この本体も回天同様、敵に突っ込んでいったらしいです。

だから操縦者は二人とも死んでしまうんですね。

説明はこれ↓

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敗戦色が濃くなってきた戦争末期には、こんなのまで作られていたとは。

言葉が出ません。


何年も前に読んだのですが

トルストイの「戦争と平和」という小説で、ナポレオンがロシア遠征に向かう章に、

「神は滅ぼさんとする者から理性を奪う」

という一行がありました。

ナポレオンの栄光はこの無茶なロシア遠征を境に

急降下で凋落の一途でした。

海龍を見た時には、ふいにこの言葉が思い出されました。

本当はもっと早い時期に日本は理性を失っていたのかもしれないけれど、

特攻を考案するまでに至っていた当時の日本は、

国全体がヒステリックになっていて、

後戻りはできないし、どうしようもないし、もう滅ぶしかない状態だったの?とか

そんなことを思いました。

これはゼロ戦。

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正しくは零式艦上戦闘機というそうです。

滋賀県の琵琶湖から引き揚げられた本物だとか。

映画で何度となく見ている飛行機ですが、本物は初めて見ました。

やっぱりこういうふうに戦争の事実を伝える場所って大事だと思いました。

心がぴんと引き締まるようです。

今度は鹿児島の知覧や東京の靖国神社にも行ってみたいです。