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昨日は名古屋に第九を聴きに行ってきました。

生で聴いたのは今回で二回目でした。

「第九」は第四楽章にシラーの「歓喜に寄す」による独唱、合唱が

取り入れられたベートーヴェンの第九交響曲のこと。

パンフレットからの抜粋ですが、

この作品の初演は1824年、作曲者ベートーヴェン自身の指揮で行われたそうです。

この頃、もう既に耳が聞こえなくなっていたベートーヴェンには、熱狂した聴衆の拍手大喝采は

聞こえるべくもなかったと。これを見かねたアルトの独唱者が前へ進み出て

ベートーヴェンを聴衆の方へ向けさせ、彼は始めてこの曲の成功を知ったとか。



演奏前に指揮者の小林研一郎さんが説明して下さったのですが、

ベートーヴェンは一時期、自ら命を絶とうとしたことがあったそうです。

でも、まだ自分にやるべきことがあるのではないかと思い直し、

以降、彼の手から生み出されたのが、「運命」、「英雄」、「田園」、「第九」・・

今も聴衆の心に響く素晴らしい作品ばかり。

もし彼がそのまま命を絶っていたら、

私達は年の瀬にこの演奏を聴くということもなかったのでしょうね。


       人の世が冷たく分け隔てたものは
 
       奇跡の御力により、ふたたび結ばれ

       そのやさしい翼のとどまるところ

       全ての人々は兄弟となる


これ、パンフレットに書いてあったシラーの詩の

日本語訳なんですが、今の時代に生きる私達にとっても大切な言葉のように思えます。

実際に聴いていたら鳥肌立ちそうでした。  


前回第九を聴いたのはまだオーストラリアに住んでいた頃、

シドニーのオペラハウスででした。

日豪合同の第九コンサートがあったんですね。テレビでも放送されました。

私はテレビのカメラマンをしていた友人に頼んで「荷物持ち」という名目で

会場に入れてもらい、ちゃっかり客席でコンサートを堪能させてもらったっけ。(笑)

あの時に第九を聴いてから昨日第九を聴くまでの期間には本当にいろんなことがありました。


頭の中にいろんな思い出が甦ってきてそれをひとつひとつ思い出したりしてたんですが。

これまでのことを振り返るいい機会でした。



写真は会場のロビーにおいてあったクリスマスツリー。