先日、伊勢の新富座へ映画評論家おすぎさんのトークショーを聴きに行ってきました。

テレビではとてもそこまで言えないような超辛口トークが聴けて
それが面白くて毎回行っているのですが
今回は字幕翻訳家の戸田奈津子さんと
黒澤プロダクションのマネージャー、野上照代さんがいらしてました。

映画を観る人なら戸田奈津子さんの名前を知らない人はいないはず。
洋画を観終わるたびにみていた「字幕:戸田奈津子」の、
そのご本人が目の前にいらっしゃって、それだけで私は感激至極でした。
戸田さんはおっとりした感じの方でした。
前日までまもなく公開される「ダイハード4.0」の
仕事に取り掛かっておられた話などをされていました。
毒舌トークを繰り広げるおすぎさんと野上さんの間に座って
終始にこやかに話をされていました。

野上照代さんのことについては、お恥ずかしながら今回のトークショーまで
詳しい経歴などを全然知らなかったのですが、
野上さんは「羅生門」以降、殆ど全ての黒沢作品にスクリプター、
のちにプロデューサーとして参加されてきたすごい方なのです。
黒澤明の作品といえば「七人の侍」、「乱」、「影武者」などなど、
オーストラリアでも黒澤明の映画はよくテレビで放映されていました。
世界的に有名な映画の数々の製作に携わってこられた
その方をも間近で拝見できるとは。
元祖キャリアウーマンって感じでかっこよかったです。

野上照代さんは現在80歳、戸田奈津子さんが70歳とか。
今も現役バリバリで大活躍されているお二人の姿を拝見しているだけで
自分自身もぴんと背筋が伸びるようでした。

現在野上さんは伊勢出身の詩人、竹内浩三の映画化を企画されているそうです。
この竹内浩三という人は日大芸術学部に在学中に太平洋戦争に召集され、
23歳くらいの若さでフィリピンで戦死しているんですね。
私は野上さんが志半ばで亡くなった竹内浩三に目を留め、
彼のことを大好きだと言ってくれたことを一番嬉しく感じました。

竹内浩三が残した詩は本当に心を打つのです。
中でも「骨のうたう」という詩は何度読み返しても胸が詰ります。
ネットでキーワード検索すればすぐヒットすると思いますので
時間のある方は探してみてください^^
映画化されたら必ず観たいなと思っています。

戸田奈津子さんが字幕を付けられたダイハード4.0の公開も待ち遠しいし、
次回のトークショーもとても楽しみです。