2007年 日本
監督: 新城卓
脚本:石原慎太郎
出演:岸惠子 、徳重聡 、窪塚洋介 、筒井道隆 、多部未華子 、前川泰之 、中村友也 、渡辺大 、木村昇 的場浩司 、伊武雅刀
監督: 新城卓
脚本:石原慎太郎
出演:岸惠子 、徳重聡 、窪塚洋介 、筒井道隆 、多部未華子 、前川泰之 、中村友也 、渡辺大 、木村昇 的場浩司 、伊武雅刀
小学生の頃、家に太平洋戦争時の写真を集めた本がありました。
出撃前の特攻隊員が一列に並び、杯を手にしている場面があったのを覚えてます。
父親がその時に、初めて特攻のことを教えてくれたのですが、
「この人達はこの写真が撮られた何時間かあとに死んだんだ・・」
というのがものすごいショックでした。
あの時、子供心に思ったのは
「あと数時間後に死ぬのに、なんで皆、こんなに普通の顔をしてお酒を飲めるんだろう・・、怖くないの?」っていうこと。
出撃前の特攻隊員が一列に並び、杯を手にしている場面があったのを覚えてます。
父親がその時に、初めて特攻のことを教えてくれたのですが、
「この人達はこの写真が撮られた何時間かあとに死んだんだ・・」
というのがものすごいショックでした。
あの時、子供心に思ったのは
「あと数時間後に死ぬのに、なんで皆、こんなに普通の顔をしてお酒を飲めるんだろう・・、怖くないの?」っていうこと。
昨日、映画を観て思ったけど、現実には軍が撮影した写真みたいに、皆が平静なわけないですよね。人間なんですから。苦悩や気が狂いそうな恐怖を必死の思いで抑えて国のために死んでいったんですよね。映画を観る前に思っていたのと違って、これは決して戦争を美化した映画ではありませんでした。特攻シーンや敵軍の空襲シーンは「硫黄島からの手紙」みたいにすごくリアルでした。ほんとに怖かった。
特攻隊員が戦中に「軍神」として崇められていたこと、知ってはいたけど、映像で見た時は、なんか衝撃的でした。一般の人達が特攻に飛び立つ飛行機を見たとたん、地面にひれ伏して
お国のためにありがとうございます!と叫んだり、特攻前に挨拶に来た隊員を座敷に上げて、「このような生きた英霊を前にすることができて光栄です」みたいなことを言ったり、息子を特攻に送り出す父親が息子に対して、頭を下げて、「どうぞお国のために・・」と敬語で話す。
お国のためにありがとうございます!と叫んだり、特攻前に挨拶に来た隊員を座敷に上げて、「このような生きた英霊を前にすることができて光栄です」みたいなことを言ったり、息子を特攻に送り出す父親が息子に対して、頭を下げて、「どうぞお国のために・・」と敬語で話す。
この映画の舞台は第二次大戦末期、特攻隊基地のあった鹿児島県の知覧。
死にゆく隊員たちが食事をしに行っていた陸軍指定の食堂を切り盛りする鳥濱トメさんという女性と、若者達との交流の話でした。隊員たちは彼女を母のように慕い、特攻に出撃する前に彼女に色々な話をしにきたり、家族への遺言などを頼みにくるのです。そんな彼らの思いを受け止めてきたトメさん。
若者達にとっては最期に精神的にすがりつきたい存在だったのでしょうね。
死にゆく隊員たちが食事をしに行っていた陸軍指定の食堂を切り盛りする鳥濱トメさんという女性と、若者達との交流の話でした。隊員たちは彼女を母のように慕い、特攻に出撃する前に彼女に色々な話をしにきたり、家族への遺言などを頼みにくるのです。そんな彼らの思いを受け止めてきたトメさん。
若者達にとっては最期に精神的にすがりつきたい存在だったのでしょうね。
ずっと昔に聞いた話ですが、自殺が罪とされているキリスト教国家の敵軍にとっては死ぬことを厭わず、艦隊に真っ向から向かってくる特攻部隊というものがもうそれはそれはこの上ないほどの恐怖だったそうです。理解不能な日本軍の行動に恐怖からノイローゼになるアメリカ人兵士もいっぱいいたそうです。
中東で頻発している自爆テロはこの特攻が考案された以前にはなかったそうです。あの自爆テロはもともと日本の特攻からアイデアを得たものだって聞いたことがありますが。平和な時代に生きている私達は、なんでそんなクレイジーなことをするのか、って思うかもしれないけれど、戦争の狂気っていうのは人間の常識とか理性を完全に否定してしまうくらい、精神を破壊してしまうくらい恐ろしいものなんですね。
石原慎太郎都知事については、あの「ばばあ」発言を聞いた時はむかっときたけど本当に立派な映画を作ってくれたと思いました。しかし、忙しいスケジュールの合間によくこれだけの脚本を書いて、製作総指揮までされたものかと思います。国のために大切な命を落としていった若者達の想いを後世に伝えていきたいという都知事の強い想いを感じました。
戦争体験を知らない人が日々増えていき、今後、日本がどうぞ同じ過ちを繰り返さないよう、
この映画は多くの人に観てもらいたいです。
この映画は多くの人に観てもらいたいです。