こんなに泣けた映画は久しぶりかも、と言えるほどの映画でした。
戦後日本が占領されていた頃から50年間、
横浜で街娼として生きていた女性がいました。
顔を真っ白に塗り、貴族のようなドレスを身に纏い、
街に立ち続けた女性。
本名も明かさず、謎だらけの人だったので
いつの間にか人々の間で「メリーさん」と
呼ばれるようになったとか。
横浜で街娼として生きていた女性がいました。
顔を真っ白に塗り、貴族のようなドレスを身に纏い、
街に立ち続けた女性。
本名も明かさず、謎だらけの人だったので
いつの間にか人々の間で「メリーさん」と
呼ばれるようになったとか。
メリーさんを知る人達がメリーさんのことを
語ることで「ハマのメリーさん」という女性が
どんな人間だったのか、ということを描き出した
ドキュメンタリー映画です。
語ることで「ハマのメリーさん」という女性が
どんな人間だったのか、ということを描き出した
ドキュメンタリー映画です。
色々な人がメリーさんを語ります。
本当に凄い生き方だと思いました。
白塗りの顔写真が最初に映し出された時は、
衝撃的な印象さえ受けました。
本当に凄い生き方だと思いました。
白塗りの顔写真が最初に映し出された時は、
衝撃的な印象さえ受けました。
彼女は住む部屋を持たなかったそうです。
ビルの廊下にパイプ椅子を二つ並べて
そこに背中を丸めて眠る姿がありました。
ビルの廊下にパイプ椅子を二つ並べて
そこに背中を丸めて眠る姿がありました。
厚化粧をして背中を丸め、バッグを曳きながら
大都会の雑踏を歩く彼女の姿を見た時、
心の中が切ない想いで一杯になりました。
大都会の雑踏を歩く彼女の姿を見た時、
心の中が切ない想いで一杯になりました。
通っていた美容室があったそうなのですが
他のお客さんが「あんな病気持ちが来る店には
来たくない」というので
来店を拒否せざるを得なくなった美容室経営者の話、
その時にメリーさんはとても残念そうな顔をしていた
という話。
他のお客さんが「あんな病気持ちが来る店には
来たくない」というので
来店を拒否せざるを得なくなった美容室経営者の話、
その時にメリーさんはとても残念そうな顔をしていた
という話。
通っていた喫茶店ではやはり
お客さんが同じカップを使うのは嫌だというので
お店の人がメリーさん専用のコーヒーカップを
用意したという話。
お客さんが同じカップを使うのは嫌だというので
お店の人がメリーさん専用のコーヒーカップを
用意したという話。
恋もしたそうです。
その人からもらったという指輪をとても大事そうに
付けていて、時々埠頭から海の向うをずっと
眺めていたとか。
その人からもらったという指輪をとても大事そうに
付けていて、時々埠頭から海の向うをずっと
眺めていたとか。
奇異の目で見る人も多かったのに
それでも誰の施しも受けることなく
毅然とした生き方を貫いた彼女。
それでも誰の施しも受けることなく
毅然とした生き方を貫いた彼女。
メリーさんを友人として暖かく支えてきた
シャンソン歌手の永登元次郎さんは
この映画のもう一人の主人公だったのでしょう。
シャンソン歌手の永登元次郎さんは
この映画のもう一人の主人公だったのでしょう。
彼女は年老いて生まれ故郷に戻ります。
最後の最後に養老院に暮らす本物のメリーさんが
登場します。
最後の最後に養老院に暮らす本物のメリーさんが
登場します。
元次郎さんはこの映画撮影時、
末期癌の状態でした。
そんな状態にありながらも、メリーさんのために
彼女が滞在する養老院を慰問して歌を歌うのです。
元次郎さんが歌う「マイウエイ」には
心を揺さぶられるものがありました。
末期癌の状態でした。
そんな状態にありながらも、メリーさんのために
彼女が滞在する養老院を慰問して歌を歌うのです。
元次郎さんが歌う「マイウエイ」には
心を揺さぶられるものがありました。
元次郎さんが歌う姿を他のお年寄りと一緒に
聴くメリーさんの姿が突然スクリーンに映し出されました。
その時の彼女の姿には、また別の衝撃がありました。
もう80歳くらいのおばあさんです。
養老院では、もう本名で暮らしていたそうで
かつてのような厚化粧もしていません。
聴くメリーさんの姿が突然スクリーンに映し出されました。
その時の彼女の姿には、また別の衝撃がありました。
もう80歳くらいのおばあさんです。
養老院では、もう本名で暮らしていたそうで
かつてのような厚化粧もしていません。
凄まじい人生を生き切ったとは思えないほど
美しく、侵し難いほどの気品を感じさせる姿なのです。
彼女の姿には感動しました。
美しく、侵し難いほどの気品を感じさせる姿なのです。
彼女の姿には感動しました。
元次郎さんは一昨年の秋に、
メリーさんは昨年の年明けに
この世を去ったそうです。
メリーさんは昨年の年明けに
この世を去ったそうです。
映画の中で誰かが、
「メリーさん、よく(これだけ頑張って)生きたよ!」と
いうシーンがあります。
私もそう思いました。
「メリーさん、よく(これだけ頑張って)生きたよ!」と
いうシーンがあります。
私もそう思いました。
生き抜くことの凄さ、
威厳を保ち続ける強さ、
よくこれだけの人生を投げ出さず生き抜いたものだよ!と
心から敬意の念を覚えました。
威厳を保ち続ける強さ、
よくこれだけの人生を投げ出さず生き抜いたものだよ!と
心から敬意の念を覚えました。
映画の中には彼女を拒否する人達がいる一方で
彼女を暖かく受け入れる人達もいて
戦後50年の横浜の街の風景、
横浜の人達の姿がメリーさんを
通して描かれているように感じました。
彼女を暖かく受け入れる人達もいて
戦後50年の横浜の街の風景、
横浜の人達の姿がメリーさんを
通して描かれているように感じました。
占領時代の日本には彼女のような女性達が
本当に多く存在したのでしょう。
ある意味、負の存在ではあったけれども
戦後、日本がたどってきた
歴史のひとコマとしてメリーさんという女性が存在した
事実が人々の記憶から消えないでいてほしいものです。
本当に多く存在したのでしょう。
ある意味、負の存在ではあったけれども
戦後、日本がたどってきた
歴史のひとコマとしてメリーさんという女性が存在した
事実が人々の記憶から消えないでいてほしいものです。
上手く説明できませんでしたが、
久しぶりに凄く感動しました。
星を5つ付けたい映画です。
久しぶりに凄く感動しました。
星を5つ付けたい映画です。