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（3分～）
住友：他になんか印象的な同級生とかいた？
吉田：印象的な同級生と言えば、あれですよね。ぼくらの高校に行った人たちがいて、概ね退学してるっていう……。
住友：まあ、六人中二人退学してるからね。
吉田：大体退学してるってことで。
住友：うんうん。
吉田：要するに、眼鏡かけた人いるでしょ？
住友：男女どっち？
吉田：女だね。
住友：うん。
吉田：退学した人いるでしょ？
住友：男女どっち？
吉田：女だね。分かるかい？
住友：分かるよ。
吉田：なんて名前だっけ？
住友：Ｎさん。
吉田：Ｎさんね。急にアルファベットだな……。なんで上田くんだけ良いんだよ！ ダメだろ上田くんも。
住友：そうだよ！
吉田：まあ良いや。Ｎさんが知らんうちに退学してたんだね。
住友：そうやね。
吉田：で、しばらく経ってからさ……、要するに大学生だね、俺は。地元に帰ってきて、電車に乗ったら目の前にＮさんがいて。最初、結構真剣にババアだと思ったんだけど……。
住友：そうっすか（笑）。
吉田：そう。で、金髪だったんだよ。
住友：まあね。
吉田：で、信じられないくらいのミニスカートだったんだよ。でもババアだと思って。「こりゃもう奇怪な婆さん」、「もののけが出たな」と思って見とったら……。
住友：（笑）。
吉田：……よく見たらＮさんで。「あえ？」と思って、「あ、もののけや！」と思って。
住友：（笑）。
吉田：結局「もののけや」ってことで落ち着いたんだけど。
住友：よく覚えとったよね、顔。
吉田：やっぱ思い出すよね。「あー」みたいなことになるじゃないですか。
よく……、これ全然違う話だけどさ。小学校の時とか全然どうでも良かったような女の子が大きくなったら凄い美人になってた、とかさ。
住友：あー。
吉田：たまにあるんだけどさ。これが俺、全然意味分かんなくて。何と言うか、凄い美人になってたとしても、「あ！ あいつじゃん！」って思う方が先に来るんだよね。
住友：なるほどなるほど。
吉田：「え！ あいつじゃん！ あいつじゃん……！」みたいな。ちっちゃい頃の記憶の方が強烈すぎてげんなりするみたいな。
住友：うんうん。
吉田：で、Ｎさんにいたっては元からそんな感じだったから。いよいよ取り返しのつかないところまで突っ走ったんだな、ということで。目の前で会った時は、「また会ったな！」みたいな。
住友：また会ったな（笑）。
吉田：そう。「また会ったな」って感じで。
住友：デュエリスト的な感じで。
吉田：そう。完全にデュエリストですよね。
だから、目はそらしてしまったよね……。
住友：あの、これ分かんないけど、一回ぼく、Ｎさんから宗教の勧誘受けたんね。
吉田：あ！ そうなの！
住友：うん。
吉田：え？ え？ え……？
住友：もしかしたらそれ、退学に関係してるんじゃないかな、と思うんだけど。
吉田：なるほどね。
住友：どんな宗教が分かんないけど、「世界が滅びる」的なことを言ってくる感じの宗教？
吉田：ああ、そういうことか。
住友：もしかしたら、某学会から外れた……。
吉田：例のあれ。
住友：例のあれかもしれないんだけど。
吉田：これ以上は言えないところね。
住友：言わない方が良いね。
吉田：良いですね。
住友：やよね？ やよね？
吉田：ほんとに、ね。ドン深闇まで一直線ですからね。
住友：そこなんかな、と思ってさ……。
吉田：もっとみんな平和に暮らせ！ なんでそんな奴しかいねえんだよ！
住友：知らん（笑）。
吉田：クソ村がよ！ 焼き払えそんなもん！
住友：ひでえ（笑）。
吉田：なんでそんな奴しかいねえんだよ！
住友：分からんけど（笑）。
吉田：ふざけんなよ。なんで明るい話ねえんだよ。
住友：高校の時あったんだよ、モスモスモス。
吉田：モスってなんだよ。
住友：モスバーガー。
吉田：モスバーガー!?
住友：そう。
吉田：高校時代に勧誘受けたの？
住友：そう。
吉田：すでにかよ！
住友：モスバーガーでなんか、急に「話がある」的なこと言われて。急に、こう、その人の上っぽい人もやってきて、話し聞いとったんね。
吉田：どんな人？
住友：分かんないけど、女性やった気がする。
吉田：ええ……。で？
住友：やっぱ結局、日蓮宗主体やよね。そっち系って。
吉田：そうやね。
住友：ぼく仏教詳しいんね。
吉田：はいはい。でも、二人に囲まれたんでしょ？
住友：囲まれたけど、勝ったよ、ぼくは。
吉田：いや、ええ……。いや、お前がデュエルしてたのかよ。
住友：そうやね（笑）。結局ぼく仏教詳しいから、向こう色々言ってきても言い返せるんね。
吉田：結局何がしたかったの、向こうは。
住友：勧誘やろ。勧誘。
吉田：勧誘をしたかったの。
住友：あそこの宗教、勧誘すごいやん。
吉田：確かに凄い。
住友：そう。ビラバンバン配っとるもん。
吉田：はあ……。
住友：そういう意味で勧誘したかったんやと思うんやけど。普通勧誘やよね、勧誘。
吉田：よくもまあ、のこのこ出掛けたよな。
住友：ぼく無防備やったから。ぼく、一応、勧誘来ても、もう、相手が仏教やったらぼくも仏教やから勝てるんよ。
吉田：でも向こう二人やから、酷い目に遭わされるのかと思った。
住友：大丈夫やったね！
吉田：最後どうやって別れたの？
住友：なんか、「モスバーガー美味しかったです」やったかな。
吉田：ええ……。
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（15分50秒～）
吉田：Ｎさんは宗教に非常にはまってしまったってことだな。
住友：そうそう。
吉田：なんだけど、前兆があったっていうのが、ちょっと記憶があってさ。
住友：前兆があったの？ 中学校時代？
吉田：そう。で、しかもＮさんが上田くんと対決した、っていうエピソードがあって。
住友：（笑）。ちょっと待った！
吉田：前回、恥ずかしくて言えんだんやけど。
住友：そうなの！
吉田：その現場に立ち会ったんだよ、俺は。Nさん対上田くんっていうドリームマッチがあったんですよ。
住友：はいはい（笑）。ちょっと教えて！ マジで教えて！
吉田：上田くんって基本的に凄いマイナス思考じゃないですか。凄いマイナス思考で常に落ち込んでさ。
住友：うんうん。
吉田：誰も何も言ってないのに「俺なんかさ……」とか言って。「ぼくなんて良くて窓際族ですよ」みたいな。なんか中学生にして就職した先のこと言ってたじゃないですか。
住友：（笑）。まあね。
吉田：どっかから覚えて来たやつを結構披露して。「窓際族ですよ」みたいな。
ありとあらゆるマイナス的な言葉を採集してきては、自分の未来に当てはめてく、みたいなさ……。凄い主張してきてたでしょ？
住友：うんうん。
吉田：多分上田くんとNさんは同じクラスなんですよ。下手したら俺も同じクラスなんですよ。
住友：はいはい。
吉田：で、中二なんかな、あれは。なんか知らんけど、Nさんと上田くんが、上田くんがなんか凄いマイナスなこと言っとるところにNさんが登場してきて。「どうしたいの？ 上田くん」みたいに……。
住友：はいはい。
吉田：「部活も勉強もどうしたいの？」
住友：なんか委員長っぽいこと言っとるね。委員長っぽいこと。
吉田：なんか意味分かんないこと言ってきてさ。「部活も勉強もアンタどっちを頑張るの？」みたいなこと言ってて。「何言ってんだろ？ この人」と思って見てたら……。
住友：うんうん。
吉田：「わたしはどっちもやるけどね！」、「わたしはどっちもやるよ」って。
住友：進研ゼミっぽいね（笑）。
吉田：だからさ、俺がパッと来たのは、「あ、Nさんの家にも届いたんだ！」、と思って（笑）。
住友：（笑）。まあ、そうやろうね（笑）！
進研ゼミ……（笑）。
吉田：Nさんは進研ゼミのマンガに洗脳されたんですよ。
住友：なるほど（笑）。
吉田：「これ確かに俺んちにも届いたやつやあ……」と思って。なんか、Nさんが進研ゼミに洗脳されて、マイナス思考の上田くんを煽るっていう（笑）。この世で一番意味分かんない瞬間に出会ったんだよ。
住友：なるほどなるほど（笑）。
吉田：結構Ｎさんってすぐ洗脳される。なんでそんな上田くんにヤバ絡みしたのかも意味分かんないし。
住友：絡みやすかったんじゃないかな……。