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 (1分20秒〜)

 

吉田:さっさと本題行きましょう。

 

住友:そうですね。……初回から言っている、高校生活と、そこに切っても離せぬ人物がいると。その名もカイチョウというね。

 

吉田その名もって言って愛称で呼ぶなよ

 

住友:まあ(笑)。

 

吉田:全然、その名もじゃないじゃん。

 

住友:カイチョウそんな人やから(笑)。カイチョウ、っていうね。

 

吉田:なんでカイチョウなのかと言うと、要するにぼくと住友さんは同じ高校に通ってたんですよね。で、ぼくは特進I類で、住友さんは特進II類だったんですけど、その特進I類の二個上の先輩でカイチョウという人がいらっしゃって。それが何のカイチョウかというと、生徒会長でもなんでもなくて……

 

住友:確かに(笑)。

 

吉田:もっと言うと、偉そうだけど地位的に言うと部活の部長よりも下なんだよ。

 

住友:確かに(笑)。

 

吉田:で、何のカイチョウかというと文学同好会の会長なんですよ。

 

住友:そうそう。

 

吉田:うちの高校って文芸部がないんだよね。で、カイチョウは文芸部を作りたいと、一念発起されたんですね。

 

住友:カイチョウはすごいから。

 

吉田:で、文学同好会ってのを作ったと。一人で作ったと。

 

住友:え! そうなの。初代会長なの、あの人は。

 

吉田:そうですよ。初代ですよ。

 

住友:マジか! そうやったんか。すごいななおさら。

 

吉田:だから偉大な人物ですよ。

 

住友:偉大な人物やね、ほんと……。

 

吉田:で、あまりにも偉大で、作って一年は誰も入らなかったと。カイチョウが一人でやってたと。次の年も誰も入らなかったと。で、次の年になって、ぼくともう一人が入ったんですね。

 

住友:まあね(笑)。

 

吉田そのぼくともう一人のもう一人が、住友さんじゃないんですよ!

 

住友:そう(笑)。そうやね(笑)。

 

吉田こいつ入ってねえんだよ! こんなカイチョウとか言ってやってるくせに。入ってないんだよ別に。

 

住友:そうそう(笑)。

 

吉田:で、もっと詳しく調べてみたら、俺も入ってないんだよ!

 

住友:入ってなかったの(笑)!

 

吉田:入ってないんですよ。実は。

 

住友:入ってなかったの? あんな活動してたのに。

 

吉田実は出してないんです。入会届を……

 

(中略〜10分20秒〜)

 

吉田:だからその運動会ってのも、カイチョウを語る上で避けては通れないというか。

 

住友:確かに(笑)。

 

吉田:あの人ちょっと意味分かんないんだけど、運動会燃えてたんだよね

 

住友:そう。部対抗リレーにね。

 

吉田:ほんとに意味分かんないんだけど……、文学同好会は三人なんだよね。多分部活になるには最低五人くらい必要なわけじゃないですか?

 

住友:やね。

 

吉田:だから部活になるには五人集めるってことを考えれば良いんだけど……、部対抗リレーで優勝したら文学同好会が文学部になるんじゃないか、っていう(笑)。

 

住友:あ、そういう発想やったの⁉︎ カイチョウ(笑)。

 

吉田そんなん誰も言ってないんだよ

 

住友:やよね(笑)。

 

吉田:「そうですよ」って誰も言ってないんだけど、カイチョウの中ではそうなっちゃったんだよ。

 

住友:なるほど。はー……

 

吉田:で、俺も面白いから、「思わせとけ」って思って。

 

住友:ふんふん。

 

吉田:そうやって生きてきたら……、「絶対勝たなアカンな」みたいなことを言ってきて、「よし! じゃあ俺、今日からトレーニングするわ」ってなって。

 

住友:うんうん。

 

吉田:それまで電車で通わなきゃいけなかったのが、なんかダッシュで通うようになったんだよ。

 

住友:やよね(笑)。あの人ほんと。

 

吉田:いよいよダッシュになっちゃって(笑)。

 

住友:(笑)。

 

吉田:トレーニングですよ。で、無茶苦茶トレーニングするわけ。

で、俺、中学時代陸上部だったの。もう一人の文学同好会の会員も無茶苦茶足速いんですよ。

 

住友:そうそう。特進トップやったよね、足の速さ。

 

吉田:そう。ものすごい速いんだよ。……で、要するに彼さえいれば普通に優勝できるくらいのもんなんだけど。

 

住友:うん。

 

吉田:で、あと、カイチョウって顔が広いから、先生の方から一人拾ってこれたんだよ、リレーの。

 

住友:そう。

 

吉田:その人が無茶苦茶速いんだよ。

 

住友:あの人一番速いよ。

 

吉田:これもダントツで速いわけっすよ。で、順当に行けば優勝できるわけなんだけど……。カイチョウはどうかと言えば、速くないんだよ。

 

住友:うん。カイチョウはね(笑)。

 

吉田結構遅いんですよ

 

住友:(笑)。

 

吉田:だから速くなんなきゃいけないということで、登校下校をランニングトレーニングにあてることにしたんだけど。

 

住友:うん。

 

吉田でもよう考えたら、短距離じゃん

 

住友:短距離……といえば短距離やね。四百メートルか。

 

吉田:だから、四百メートルを四人で回すんだから、百メートルじゃん。

 

住友:そっか! そんなもんか。

 

吉田:だから全然短距離走なんだよ。それをあの人は、なんか知らんけど持久走の練習してんだよ

 

住友:確かにそうやね。言われてみると。

 

吉田:だからクラウチングスタートとか覚えた方が良いんだよ! なんだけど、あの人はよく分かんないだけど持久走の練習をしちゃって、運動会一ヶ月前とか、なんなら二ヶ月前とかから毎日それを始めちゃったんだよね。

 

住友:うん。しかも靴も買ってね。しっかり。

 

吉田:そう、靴も買って、懸けるわけですよね、運動会に。

 

住友:うん。

 

吉田:で、当日、運動会が始まりましたって時に、まずエントリーされてなかったわけですよ。

 

住友:らしいね(笑)。

 

吉田:だって部対抗リレーなんだから、同好会はエントリーされないんだよ。

 

住友:うんうん。

 

吉田:それを、カイチョウは青ざめて……、いつものよく分かんないテンションで「なんで入ってないんだよ!」って文句言いに行ったんですよ。

 

住友:うんうん。

 

吉田どう考えてもこっちが悪いのにキレるっていういつものノリっすよね。

 

住友:ま、カイチョウはそういう人や

 

吉田:で、独善的に本部の方に乗り込んで、「ちょっと、文学同好会どうなってんだよ!」ってことになって、「じゃあ(エントリーしても)いいっすよ」ってことになって、入れたわけっすよ。

 

住友:うん。

 

吉田:で、「スタートです!」ってなって……、要するに文化部と運動部が一緒にリレーやったら勝てるわけないから、分かれてるんだよね。

 

住友:そうそう。

 

吉田:で、運動部の方はガチで頑張ってたりするんだけど、文化部の方は、美術部とかはネギ持ったりして、結構ふざけてるんだよ。

 

住友:そうそう。

 

吉田:そこでガチで頑張る部なんて、まあ、ないわけですよ。そんな中、カイチョウはわけの分からん『瞬足』みたいなの履いてさ……。

 

住友:いや、履けなかったはずや

 

吉田:え!

 

住友:部対抗リレーは、そういうのなしに、学校指定の靴なんね。

 

吉田:あ、そうなんや。無駄買いやったんや。

 

住友:そう、無駄買いやったね、カイチョウ。

 

吉田:ずっと履いて頑張ってたのに。

 

住友:うん、それほんと無駄で

 

吉田:当日相棒履けなかったんだ!

 

住友:そう。運動会学校指定の靴だもん。

 

吉田:そりゃそうだよな。

 

住友:だからカイチョウはそこでもヘマを犯したって感じで。

 

吉田:……で、とにかく全部失敗しつつ、始まるわけですよね。

最初は、先生が無茶苦茶速くて、ぼく以外の部員(会員)の人も無茶苦茶速くて。

 

住友:うんうん。

 

吉田:ぼくも順当にバトンを回して……、ダントツトップなんですよ。

 

住友:うんうん。

 

吉田:ほんとに二位との差は甚だしいというか、百メートルくらい普通に差があって。

 

住友:うん。

 

吉田:最後カイチョウにバトンが渡って……、

 

住友:……。

 

吉田ギリ優勝した、っていう……。

 

住友:……そう。

 

吉田めっちゃ遅くて、ギリ優勝した、っていう

 

住友:そう。それがカイチョウや

 

吉田:で、我々は抱き合って、別に部に昇格することはなく、俺たちの夏は終わっていったわけなんですけど。

 

住友:うん……。

 

吉田:……。

 

住友:……良いよね……。

 

吉田何がだよ!

 

住友:カイチョウは、無駄やけど頑張る感じが良いよね。

 

吉田:あの人基本、人の話聞いてないんだよ。

 

住友:多分ね。

 

吉田:聞いてないから、勝手に理解して、意味分かんない方で努力するんでしょ。

 

住友:そうそう(笑)。その努力のやり方がね、ぼく、好きやったから。わけ分かんないことばっかして

 

吉田:(笑)。