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今日は一人なの?

きょうだい


可愛らしい姿がふたつ。


たった今飛び乗った壁から、アスファルトの地面を見つめる。


そうだよ、そこから飛んだんだよ。


まだ小さなその足で、目一杯ジャンプしたんだよ。


もう一段高い壁の上。


お母さんらしき大きな姿が可愛い二人を、じっと見つめていた。


きっともうすぐ、その隣にいけるよ。


今よりもっと高く飛べるよ。


それまで見守っていてね。

パスタ


好きなものが出来ると、何度も何度も繰り返してしまう。


同じものを食べたり、


同じものを飲んだり、


同じ言葉を繰り返したり。


周囲に呆れられてしまうほど同じものを繰り返す私は、


きっと周囲の人よりも”飽き”が来るのが遅いんだと思う。


新しいものを取り込む事も楽しいけど、同じものを見た時の安心感が心地良い。

夕暮れ


夕暮れから、夕闇へ。


追いかけてくる夜が、影を長く長く伸ばす。


自分の影を追いかけて、自然と早くなる帰路。


何に急いでいる訳でもないけど、なんとなく急かされてしまう。


あの綺麗な、柔らかなオレンジ色に向かってゆく。

チェリー


差入れで貰ったチェリー。


久しぶりに食べてみたけど、甘いのと苦いのが混じっていて、

「ああ、相変わらず一定の味じゃないなぁ」って感心した。


食べながら、幼い頃に観た海外のテレビを思い出した。


パパがチェリーを買ってきて、


ママがそれをパイにして、


兄妹が美味しそうに頬張って。


いかにもな幸福の光景がテレビの中に映し出されていて、


それを観た私は、彼らに奇妙な憧れを抱いたものだ。


まるでチェリーが幸せになれる果物のような気さえした。


その幼い頃の思い出が今の私によみがえり、胸の中で何故か疼いた。



だけど、そんな風に思ったその後には、


これが日本だと小豆を茹でて牡丹餅を食べるという光景になるのか、


と、そんな考えが頭を過ぎり、胸の疼きを連れ去って行った。




お母さん、差入れのチェリーありがとう。

ちょっと苦いのもあったけど、やっぱりチェリーは幸せの味かもしれない。