差入れで貰ったチェリー。
久しぶりに食べてみたけど、甘いのと苦いのが混じっていて、
「ああ、相変わらず一定の味じゃないなぁ」って感心した。
食べながら、幼い頃に観た海外のテレビを思い出した。
パパがチェリーを買ってきて、
ママがそれをパイにして、
兄妹が美味しそうに頬張って。
いかにもな幸福の光景がテレビの中に映し出されていて、
それを観た私は、彼らに奇妙な憧れを抱いたものだ。
まるでチェリーが幸せになれる果物のような気さえした。
その幼い頃の思い出が今の私によみがえり、胸の中で何故か疼いた。
だけど、そんな風に思ったその後には、
これが日本だと小豆を茹でて牡丹餅を食べるという光景になるのか、
と、そんな考えが頭を過ぎり、胸の疼きを連れ去って行った。
お母さん、差入れのチェリーありがとう。
ちょっと苦いのもあったけど、やっぱりチェリーは幸せの味かもしれない。
