「菜菜ごはん」を始め多数の野菜料理本の著者であるカノウユミコさん。
彼女がオーナーシェフを勤めるお店が祐天寺にあり、一度行きたいと思っていました。先日、同じく野菜好きの友人と意気投合し、ついに訪れる機会に恵まれました。
三宿通りにあるそのお店は目立った看板もなく、意識して行かなければ、通り越してしまうようなひっそりとしたたたずまい。階段を昇りドアを開くと、外の喧騒とは無縁の静けさが。その直後、優しい笑顔でお店の方が出迎えてくださいました。
まずは「浜茶」というお茶でスタート。お豆の香ばしいお茶です。
食前酒・先付けに続いて前菜。ふきのとうのごまあえや、うどの梅酢漬けなど春の山菜でほっとなごみます。
蒸し物はかぶと山芋のくずあんかけ。お出汁の優しい味が口の中に広がります。食感もちょうどいい感じ。
焼き物には、竹の子とアスパラ。柔らかい竹の子が春の若さを思わせます。
驚いたのはお造り。いったい何が出るのだろうと思っていたら、アロエやこんにゃく、そして島根の海藻を固めたものが並んでいました。どれも自然な香りで素晴らしい。
揚げ物にもタラの芽やふきのとうといった山菜が彩りよく盛られ、季節を十分に堪能しました。
締めのご飯、お椀、香の物も薄味で、野菜の味が十分に保たれています。
最後にカノウユミコさんご自身がケーキとお抹茶を運んでくださいました。
想像していたより、華奢で素朴な印象。お料理が主役、ご本人は脇役とばかりに控え目で、丁寧な対応。
でも、その目には少女のような愛らしさが・・。
どのお料理も本当に愛情が込められ、大切にされているのがよくわかりました。
お店を広げすぎず、その分自分の手がすべて行き届くようになさっているという印象。
心意気を感じます。
帰宅しても、何だかほんわか、温かい気持ちに。
手作り料理の原点がここにあります。
