休みの度に杉原さんと逢っていた。
早起きの杉原さんは、結構早い時間に迎えに来る。
もっと遅く来てほしいけどせっかちな人だし、思い立ったらすぐ行動に移す。
「お昼、何食べる?」
「あ~、この前話したお蕎麦屋さん、すぐそこだよ」と私が言った。
そのお蕎麦屋さんの蕎麦はイチオシ。初めて食べた時、美味しさに私は感動した。全く目立たない立地。なのに口コミでかお客さんは次々に訪れる。
杉原さんも「うまい。こんなおいしい蕎麦屋があったとは…お前が薦める店だけあるよ」と気に入っていた。
私は、おいしいと聞くと行かなきゃ気が済まないタイプ。
杉原さんは、いつも私がおいしいと言うお店は間違いがないと言っていた。
食べ物の好みも合うのかもしれない。
逆に私は、杉原さんと一緒だと食べたいものが食べれるし、贅沢できるから助かっている。
大輔は自分の意志表示をしないのに文句は言う。
それじゃあ、せっかくの食事も台無しになる。
グルメぶっているけど、私からみたら質より量ってタイプ。
そういえば、若い時からずいぶん杉原さんにおいしい食事をご馳走してもらって来た。
冗談で「女とゴルフに費やしたお金があれば、もう二軒ほど家が買えたんじゃない?」って私が言った事があった。
杉原さんも笑いながら「あ~、そうだな」って言っていた。
「これ…私のイチオシのチョコレート。明日はバレンタインデーだから」
と、本当に私が一番好きなチョコレートを杉原さんに渡した。