えっ?
どこ行くの?
杉原さん、今日は食事するだけじゃないの?
それにもう時間も遅いよ。
支払いを済ませて先にお店を出て駐車場へ行く杉原さんを、私は戸惑いながらもゆっくりと歩いて付いて行った。
「行くぞ、久しぶりだ、もうしばらく一緒にいよう」
杉原さんの車は以前よく行っていたラブホに向った。
もうこういう所に杉原さんと来るとは思わなかった。
失礼だけど、まだエッチするんだ杉原さん、って思った。
部屋に入り、すぐに抱きしめられた。
「さぁ、久しぶりだなぁ」等と座る事もなく私に触れて来た。
「私、今日はこんなことするって思わなかったのに。何で?」と言った気がする。
ベッドに押し倒され、裸で抱き合った。
「さぁ、俺に逢いたかったか?」
普通、ベッドでそう聞かれたら「うん」とか「逢いたかったぁ」とか言うのだろうけど…
私は
「別に…」
なんて可愛げのない、ムードを盛り下げるイヤな女の私。
嘘でも「逢いたかった」と言えと、たぶん気分を害したはずの杉原さんだったけど、言葉にも態度にも表さなかった。
でも、私はこの数年間本当に杉原さんに逢いたいという気持ちはなかったのだろうか?
あれだけの想いをして涙を流した。
最低の男だと思った。
誰も杉原さんには言わない言葉を言って大喧嘩した。
こうやってまた逢って、エッチして…
嫌いにはなり切れてない自分に気付いていたのではないか。
大輔の存在があってしばらくは杉原さんの事を一時的にどこかにしまっていただけではないか。
そうでないと、電話があっても断固無視、誘われても断わるはず。
久しぶりの杉原さんの身体に抱き付いた。
すごくスリムな人だったのに分厚い。
「太った?」私は聞いた。
「うん。痩せていた方がよかったか?」
「ううん。今の方がいい。何か嬉しい」
「そうか、さぁは何も変わらない」
何でそんなに元気なの?と聞きたい位に年齢の割に元気な杉原さんだった。