大輔の車に乗った。
「何食べる?」
「うーん…」
「肉がいい?魚がいい?」
「肉かな…」
「俺も肉!」
「じゃあ焼肉屋さんに行こうっ!今度は私に支払いさせてね」
「今日は俺が全部もつからいいって。俺、今日嬉しいし」
等と会話しながら地元では結構評判のお店へ向かった。
待ち合わせた駐車場から少し遠くなるが、どうせ食べるのなら美味しいのを食べたいと意見が一致した。
娘の珠里は鶏肉以外の肉を好まないので魚料理と野菜料理が多い我が家の食卓。
たまには焼肉も食べたくなる。
でも、カルビも食べるが今で言うホルモンヌな私。
ゲテモノ喰いとも呼ばれている。
本当に二人分?って思う程たくさん注文した。
よく食べる大輔。
大輔を見ながら何となく笑ってしまう私。
私はたくさん食べる男の人が好きだ。
私が食べきれなくなったクッパも「俺食べるぅ」と食べてしまう。
「美味しかったねっ。ここは私に払わせてね」
大輔が払うと言ったが、ランチ代、ホテル代、焼肉代と全部出させたら結構な金額になるので無理矢理私が支払いをした。
「次、何処に行く?まだ時間大丈夫でしょ?」と大輔。
「これで帰ろうね。明日もお互いに仕事だし。ね?」
私は珠里を迎えに行く約束をしていた。
高校生の珠里はバイトをしていて夜遅くなる日は歩いても10分の距離だが迎えに行っていた。
「俺なら平気だよ。早起きは得意だし」と言うが、私は帰ろうと言った。
待ち合わせた駐車場に着いた。
「今日はありがとう。楽しかったねっ」私が言った。
大輔は「うん、またね…」と言った。
「また?またはナイよ」と私は答えた。
「どうして?ダメだよ。まただよ」
私は黙って大輔にキスをした。
「じゃあね…」と大輔の車から降りて自分の車に乗った。
大輔の車は、なかなか走り出さない。
私は大輔の車が動くまで待っていた。
ようやく走りだした大輔の車を見て、私も反対方向へ車を走らせた。
私は、大輔と逢うのは今日一回限りにしようと思っていた。
かっこいい!とか好意はあったが14歳も年下。
しかも私はまだ杉原さんを忘れた訳ではない。
自分から離れようと決意したけど、忘れてはいなかった。
お互いの為にも今日一回限りにした方がいい。
そう思っていた。
だから大輔に「またはナイよ」と言った。
珠里のバイト先に着いた。
まだ終わるまで時間があったので、大輔にメールした。
「着きました。今日はありがとう。楽しかったです」
10分ほど後、「俺もめちゃ楽しかったです。またデートして下さい。もう家に着きます」と返事が来た。