検査入院だったからか杉原さんはしょっちゅう外出してゴルフに行っていた。


「なぜ、わずか一ヶ月位辛抱出来ないの!子供じゃあるまいし。退院したらどれだけでも行けるでしょ?」と私は怒った。


「何か治療がある訳でもないし、薬くらいでさ…後は寝てるだけだよ?外出しないと頭がおかしくなるよ」と杉原さんが言った。


確かにそうかも知れない。特に杉原さんは、じっとしている事が苦手だし。


でも何事にもルールがあるはず。病院には病院でのルール。ゴルフにもルールやマナーがある。人間関係にも…


私は呆れていた。
この人はどんどんおかしくなって来ている。


それでも、杉原さんから呼ばれて何度も病院に行った。


一度、私がいる時に杉原さんのご両親が来られた。

私が18歳の時に就職し、杉原さんと出会った会社にお父様も来られた事があったがさすがに覚えてはいらっしゃらないだろう。

私は先に病室を出たが、杉原さんは私の事を何と説明したのかな…と気にはなった。


検査を重ねて杉原さんは退院した。半年後にもう一度検査するという。


とりあえずは安心した。


「さぁ、色々とありがとう。迷惑掛けたな。もし、今後さぁが入院する事があったら俺が面倒みるからな」と杉原さんは言ったが、私は「縁起の悪い事を言わないで。それに、もし入院しても杉原さんには連絡しませんから、どうせ来ないと思うし」と答えた。



私はわからなかった。自分でどうしたいのか…


杉原さんをこれから信頼し尊敬して付いて行けるか?


答えはNO。


いつもどこかで疑っている自分がいるはず。


前みたいに、心から幸せって思ったり楽しいって思ったりは出来ないはず。



答えはひとつ。



今度こそ杉原さんから離れよう…


今度こそ…


そして杉原さんがビックリする程もっといい女になる。