ある日、親友の真由美と居酒屋に行った。
その居酒屋のママとは長い付き合いであったが、久しぶりにお店に行った。
「さぁちゃん、ずいぶんご無沙汰だね」とママのみっちゃんは笑って言った。
「みっちゃん、ごめん。なかなか来れなくて、今日のおすすめは何?」と言った時、横の方から「さぁちゃんじゃない?」と声がした。
見ると、飲んでいた杉原さんを迎えに行く為に待ち合わせをしていたスナックのママだった。
「あ…ママ、お久しぶりです」
「さぁちゃん、お友達と一緒?後で寄ってよ」
真由美に説明して「じゃあ、後で伺います」とママに行った。
居酒屋のみっちゃんは青森出身で、明るく気さくで、女手ひとつで店を大きくして来た。
料理は美味しく、値段も手頃なので、地元では繁盛していた。
真由美を初めて案内したが気に入ったよう。
「その後どうした?」真由美は聞いて来た。
私は、誕生日の出来事と、その次の日の電話の話をした。
「よく言ったね」真由美は驚いていた。
「さぁほどの人なら、杉原さんよりいい人が必ず現れるって。前を向こうね」
「ひどい思いをしたから…すぐには立ち直れないよ」
「次の恋愛が杉原さんを忘れさせてくれるよ」
「そうかな…私、本当に一途だったから…」
「杉原さんからまたうまい事を言って来ても知らん顔するんだよ」
「うん、メールも電話も無視してる」
「まだ、メールや電話があるの?あれだけムゴイ仕打ちしておきながら、信じられないわ。電話番号変えれば?」
「電話番号は変えれないって。仕事の関係の人達にも教えてあるし。メルアドならともかく…」
「それにしても、あの女、腹立つぅ。やっぱりあの時、さぁに止められてもひっぱたいてやればよかった。旦那さんからまだ電話あるの?」
「最近はナイかな?旦那さんも仕事から家のことから子供の世話まで本当に休む暇ナイ人だから」
「全く、女の敵だよね、あの女。友達いなさそう」
「確かにうわべだけの友達しかいないかもね。そうそう、旦那さんが言ってたけど、美和子が、自分が杉原さんと別れてさぁに謝ったら、またさぁは友達に戻ってくれるかな?って言ったって。あり得ないでしょ?」
「バカとしか言えない。だから友達が出来ないのよ」
「まぁ、美和子だけが悪いのじゃないよ。杉原さんも悪いのだから。人としてのレベル、人間性ってヤツ」
真由美とは何でも話せる。気持ちが楽になる。
「自分にとっての一番かぁ、私はやっぱり旦那なんだろうな。この前、旦那が入院した時そう思ったよ」
「真由美は幸せだね」
「私は、さぁが付き合っている人が旦那より格好良くてお金持ちでも、さぁから奪おうなんて思わないから安心して」と笑って言う真由美。
「真由美の旦那、格好いいじゃない?優しいし。でも真由美の旦那だから奪おうなんて思わないから安心して」と私が笑って言った。
居酒屋を出て、ママとの約束通りスナックに寄った。隣のビルの6階。
「いらっしゃい!待ってたよー」
「久しぶりに来ちゃった。珍しくお客さんいないね?」
「こんな日は女同士飲みましょう」
「だね!」
私と真由美とママとお店の二番手さんと4人で飲んだ。