怖れていた事が現実となった。


すぐには杉原さんに問いただす事はしなかった。


杉原さんから電話が来た。いつもと変わらないない調子で「さぁ、食事に行こうか」と言った。


杉原さんに逢った。


単刀直入に聞けなかった。


いつものようにラブホに誘う杉原さん。
杉原さんを私と美和子とがシェアするの?
冗談じゃない。


その日は私は杉原さんには何も聞かず何も言わなかった。



私には勇気がなかった。
杉原さんに本心を聞く勇気、杉原さんから離れる勇気、どちらもなかった。



ある日の朝、杉原さんにメールを送った。


エラーになった。


メールアドレスを変えたようだ。それまでのメールアドレスは私が杉原さんと相談して決めて私が設定してあげたものだった。


すぐ杉原さんに電話をした。
「メールを送ったんだけどエラーになるの。アドレス変えたの?」と聞いた。


しどろもどろで「あっ、あぁ、何か変なメールが来るようになって変えたよ。今から何かメールするよ」と杉原さんが答えた。


メールが来た。


新しいアドレスを見て、私は唖然とした。


杉原さんと美和子の名前がミックスされたアドレスだった。


杉原さんは自分ではアドレス変更する事は出来ない。誰がしたのか一目瞭然。


明らかに、美和子は私と杉原さんを離そうと企んでいる。自分と杉原さんが付き合っているのを見せつけている。


情けなかった。
でも、美和子にそれを許したのは杉原さん。おそらく杉原さんはメールアドレスの意味がわかっていないだろうが。


私はそのアドレスに「その趣味の悪いアドレスは止めた方がいいと思います」と送った。返信はなかった。