ロビーで私と杉原さんは美和子を待った。


なかなか来ない。


杉原さんは、「さぁの分のゴルフ代は払っておいたよ。ホテル代と食事代は俺が三人分負担したから」と言ってくれた。


「ありがとう。いつもすみません」私は言った。


「それにしても遅いな」と杉原さんは苛立ち始めた。


それを察した私は「見て来ます」とお風呂に行った。美和子は洗面台の前でゆっくり髪をブローしていた。

「もう、精算も済ましたよ。ホテル代と食事代は杉原さんが負担してくれたよ」 と言うと「ゴルフ代いくら?払って来てよ」と私にお金を渡す美和子。


おいおい、あんた何様?と思ったが我慢してフロントで美和子のゴルフ代を払った。


それでも美和子は来ない。少しは配慮出来ないのかと腹立たしかった。


しばらくして現れた美和子に「ゴルフバッグ、車に積んでおいたよ。はい、これお釣り。じゃあ行こう」と急がせた。


杉原さんが運転し、私は助手席、美和子は後部座席。


杉原さんが眠くならないように私と杉原さんはずっとしゃべっていた。


美和子は何も言わないで目を閉じているようだ。


「さぁ、少し眠ったら?」と杉原さんが言ってくれたが私は「大丈夫、眠くないよ」と答えた。



途中のサービスエリアで、「コーヒー飲もうか?」と杉原さんが言った。出発してから時間も過ぎているし、眠気覚ましもあったのだろう。


サービスエリアの駐車場に車を停め、降りたが美和子は動かない。

美和子に「コーヒー飲むけど行かないの?」と聞くと「行ってくれば?」と低い声で答えた。
「何か買って来ようか?」と聞くと「いらん!」と言った。


私は思わず「何、その態度!」と言おうとしたら、杉原さんに「行こう」と止められた。


「放っておけ」
杉原さんは歩きながら私に言った。


杉原さんと二人でコーヒーを飲み、車に戻った。
美和子は無反応。
その後も一言も発しなかった。


待ち合わせた地元のインターチェンジの駐車場に到着した。