その頃、私は勤めていた会社を辞めた。
日曜日も仕事で平日に休みだったので、日曜日が休みの仕事を探すことにしたのが一番の理由。
珠里は土曜、日曜は私の実家で過ごしていた。習い事も友達の所も同じ小学校区なので行けた。
小学校の高学年になっていた珠里。手先が器用で勉強もよく出来た。
私の子供にしてはかなり優秀であった。


失業中の私は時間があった。美和子とゴルフの練習をしたり出掛けたり、時には一人でゴルフ練習場に行った。
パソコン関連の資格を取ろうと学校にも通った。


そんなある日、杉原さんから携帯電話に着信があった。


「明日の夜、食事に行かないか?」


「子供いるし、どうしようかな…」と渋る私。


「実家でみてもらえないのか?」


「大丈夫だと思うけど…」


また杉原さんと二人で会ってしまったら私はきっと…

迷った。


本当は会いたい。


「なぁ、久しぶりにゆっくり話をしよう」


「わかりました。何時にどこですか?」


「昔と一緒だよ。6時でどう?」


「じゃあ、明日」


電話をきった。


明日は土曜日、夕方から珠里を実家で預かってもらってそのまま泊まってもいい。私も実家で泊まってもいい。


すぐ母に電話をし、「明日の夜、友達と出掛けから珠里をお願いします」と頼んだ。


私は、30歳半ば、杉原さんは50歳近く。


初めて杉原さんに出会ってから15年以上の月日が流れていた。