珠里は小学校が終ったら私の実家に行き、私が迎えに行くのを待っていた。

晩ご飯も実家で食べていたし、お風呂にも入っていたので、実質的には家には寝に帰っていた感じ。

近所に仲良しの友達も出来て楽しそう。

絵を描くのが好きで、暇さえあれば、絵を描いている珠里。


離婚する前のママ友の美和子ファミリーとも付き合いを続けていた。

東京ディズニーランドに一泊で出掛けたり、軽井沢に滞在したり、時には美和子だけが家にやって来たりとても仲良くしていた。

美和子は、天真爛漫、明るい性格で、感情を表に出さないどちらかといえば無口な私とは違っていた。

いつも私に美和子は言っていた。
「あなたは何故何でもそつなく上手にこなせるの?何をやっても上手だよね?」確かその時はまだ一般的には普及していなかったパソコンを始めて、ブラインドタッチを普通にしていた私に向って言った。

「誰でも最初から出来る人はいないよ。多少努力くらいしなきゃ」と私は答えた。

「何で何をしても上手なの?私は出来ませんって感じなのに」
確かその時は美和子に誘われてカラオケボックスに行ってリクエストされた曲を歌った時だった。

確かに誘われなければカラオケには行かない。めちゃくちゃ上手くはないがそれなりに歌えるというレベル。

美和子の「何であなたは?」は時々私に向けられた。

挙げ句には「あなたには常に私の一歩先を歩いていて欲しい。よろしく」と。

私は「お気楽な奥様が何を言ってるんだか」と軽くあしらっていた。

美和子は熱しやすく冷めやすい。
私は熱中したら納得するまで突き進む。

当時は私と美和子は本当に仲良しだった。美和子が私にとてもなついていた的な部分が多かったが。