スーツ姿の男性二人。

「中田さんはご在宅でしょうか?」と聞かれた。

「いいえ、おりません」

「引っ越しされるのですか?」

積み上げてある段ボール箱を見てそう思ったのだろう。

「はい」

「どちらへ?」

「あの…ご用件は何でしょうか?」

「ご主人に直接会って話をしたいのですが、今日は何時ごろ戻られますか?」

「帰って来ません」

「困りましたね。大事な話なんでね」


嫌な予感がした。


「携帯電話に掛けて連絡をとっていただけませんか」と言うと携帯電話の番号を控えて帰って行った。


私はすぐに実家に電話をして母に話をした。

母は、変な事に巻き込まれたくないから次の日の朝一番に離婚届けを出そうと言った。

私は急に怖くなった。母がこっちに来て泊まれば?と言ってくれたのを片付けがあるからと断った。
でも、珠里がいる。怖がっていてはダメだと自分に言い聞かせた。

案の定、その二人は次の日もやってきた。