それでも私は中田が何時に帰ってきても食事が出来るように準備だけはしておいた。
お風呂も準備しておいた。
ほとんど無駄になったが。
以前なら朝帰りしてシャワーをして着替えを数枚持って出掛けて行ったのに。

かなりの着替えを車に積んでいたと思われる。


中田が自分の実家に行っているはずもなく、どこに泊まってるのかと思っていた。


中田と知り合うきっかけになったスナックのママから電話があった。


「中田さんの噂知ってるの?」


「噂?」


「○○ってスナック知ってるでしょ?そこのママの妹と付き合っているって」


「へぇ~、もう次の女がいたんだ」


「え?前にも女いたの?」


「うん、デパートに勤めてた人だったみたい」


「でさ、その妹もお店出すらしくて、そのスポンサーが中田さんって噂なの」


「まさか、あの人がそんなお金持っている訳ないでしょ?」


「でもわかんないわよ、どこかで借りるとか保証人になるとか…」


「あ、そうだね」


「そうだねって、本当だったらどうするの?マスターも中田さんに対して腹をたててしまってて、さぁに悪い事したなって言うの」


「あの人との結婚はかなり前からもう破綻してしまってるの。でも結婚をしたのは私で、誰の責任でもなく私の責任だよ。今はほとんど別居してる感じ。珠里が可愛くないのかな?」


「私達、昼間は自宅にいるから近いうちに珠里ちゃん連れて来てよ」


「ありがとう。じゃあ伺います」


特には驚かなかった。
ただ、気になるのはお金。中田が大金を持っているはずがない。