次の日から中田の電話攻撃が始まった。

だいたい中田の仕事が終る時間に毎日電話があった。
私の両親も毎日同じような時間にかかって来る中田という人の存在を気にし始めた。

仕事が終った。ゴルフの練習をしてから先輩の店に行くから来ない?

○○の練習場に行くから来ない?

次の休みの日にゴルフに行くから一緒にどう?

ほとんどがこんな感じ。

優柔不断でイヤとハッキリ言えない私は時々誘いに応じた。

ゴルフするか食事するか飲みに行くかだけ。
しばらくはそんな感じの付き合いだった。
良い言い方をすれば紳士的だった。


杉原さんの様に口八丁、手八丁ではない。(その頃は)

私が普段は行かない少し離れたゴルフ練習場に私を誘い(中田の会社の近く)中田がレッスンしている方々に私を自分の彼女と紹介し始めた。


「美男美女でお似合い」と医者や会社社長夫人によく言われた。

中田はお金持ちのおじさまやその奥様方にレッスンしてあげて気に入られているようだった。


突然、中田から「結婚を前提に付き合って下さい」と言われた。

結婚って…まだ無理…この人の事はキライではないけど…もう少しこの人を知らないと…だいたい私って料理も出来ないし…

中田の家に連れて行かれた。中田の母親は大喜びで早く結婚してほしいと言った。

私の家にも挨拶に行きたいと言うので連れて行った。


「娘さんと結婚させて下さい」予想外の申し込みだった。