自宅の部屋で私はベッドに潜り泣き続けた。
やっぱり杉原さんは私の事なんて好きだけで愛してくれていなかったのだ。
所詮お父さんの会社の専務で道楽者なんだ。
好きな所に連れて行ってくれて好きなものを食べさせてくれて…
でも私は複数の中の一人なんだ。
マイナスにばかり考えて眠れなかった。
翌日、私は親友の真由美に相談した。
真由美は杉原さんや福岡さんと飲みに行った時に私に誘われ何回か同行していた。
真由美は「どうみてもそういう人達って感じでしょ?
でも…さぁを見る顔は本当に好きだって感じだったけどな」と言った。
書き忘れてましたが、私は<さぁ>と呼ばれていました。
「で、どうするの?」と真由美は聞いた。
「そんな簡単に答えは出ないよ」と言った私に「今、我慢して付き合い続けてもまた同じ事になるんじゃないの?」と的をえた言葉を真由美は言った。
私は杉原さんに会うのが怖かった。
私にどんな言葉を言うか怖かった。
最近会社に来ないよなぁと思い始めたある日、社内を歩いていた私は杉原さんに会った。
何事もなかったように話し掛けて来る。
「さぁ、今日、食事に行こう」
話をする機会が出来たと思い「うん、いつもの所で待ち合わせ?」と聞いた。
杉原さんは「6時に行けると思うから」と言い「今日もキレイだね」と耳元で囁いてから私の頭を撫でた。
私は誰かに見られているかもと思い、とっさに杉原さんの手を払いのけた。