ようやく帰れる。
でも一時間近くかかるから零時過ぎちゃう。
両親は寝ちゃったかな。
寝ててほしい。

時間も遅いし少し酔いもあって眠くなってきた私。

杉原さんは「シート倒して寝てていいよ」と優しく言った。
ハイテンションな人がラジオのボリュームを下げ、しゃべらなくなった。

私は少しだけシートを倒して目を閉じた。
時々、杉原さんの鼻歌が聞こえて来たがいつの間にか眠っていた。

「ねぇ」と声を掛けられたと思った瞬間、私はキスされていた。
手で杉原さんを押し戻そうとするが無駄だった。

キスが終った後少し沈黙があったが「もう少し時間を俺にくれない?」と杉原さんが言った。

寝ぼけてて、また不意にキスされて訳がわからなくなっていた私は今いる場所も当然わからず「ここどこ?」と聞いた。

「俺も眠いし、ちょっと休んで行きたいな」
「二時間でいいよ。その後ちゃんと家まで送るから」
ラブホの駐車場だった。

「さぁ降りよう。嫌がる事はしないから」と杉原さんは先に車を降りた。

どうしよう…と思いながらも助手席のドアを開けられ手を引っ張られ私は車から降りた。

初めて入るラブホ。
それまで付き合った人はいたがセックスはしていなかった。

33歳の大人の男が18歳の女の子をラブホに誘いセックスするなんて簡単な事。

まんまと私は引っ掛かった。ましてや杉原さんには妻子がいる。当時のウブな私(自分で言う?)は不倫なんて想像も出来なかった。

部屋に入ると杉原さんは「シャワーして来るからベッドで寝てて」とお風呂があると思われた所に行った。
ベッドで寝てるなんて出来るはずもなく私はソファーに座り目を閉じた。
「あ~スッキリした」の声がした。

「何か飲む?」と聞いて来たので黙って目を閉じたまま首を横に振った。
「ビール飲みたいけど我慢ガマン」等と杉原さんは一人でしゃべっていたが私は黙ったまま。

私の横に来た気配がしたと思ったら頭を撫でて「びっくりした?ごめんね」と全くごめんなんて思ってない杉原さん。

私の顔に手を添えてまたキスをして来て「好きになってしまったよ」

逃げたらどうなってたのだろう…自分の住む街じゃないし車も杉原さんのだし帰る事も出来なかった。

私はいつも「今日もキレイだね」等と時々会社に来る杉原さんに好意はあったが15歳も年上の妻子ある人だから対象外だと。まさかこんな事になるなんて、車に乗ってしまった私がバカだ。最初からセックスしようと思っていたに違いない。
頭の中で色々考えてたら「あっちで休もう」と今で言うお姫様だっこされベッドに寝かされた。