杉原さんは、色黒でスマート。私も背が高く顔も好みのタイプらしかった。

会社に現れては、「今日もキレイだね。デートしようよ」と言い受付の前を通って行く。

「こんにちは」の挨拶の代わりに…

何て軽い男とは思ったが、冗談で、まさか本当に誘って来るとは…

3ヶ月ほど過ぎたある日、同期で入社した真美が、私に「仕事が終ったら食事に行かない?」と言って来た。
特に断る理由もなく、私はちょっと高級な居酒屋へ自宅から歩いて行った。

真美とちょうどお店の前で一緒になり、「このお店に来てみたかっんだぁ」何て話ながら中へ入った。

え?

どうして?

杉原さんがいた。

「こっちにおいで」と手招きをしている。

「どういうこと?」と真美に聞くと「あぁ、今日、杉原さんが会社に来た時に駐車場でバッタリあって、私達二人にご馳走するよって言われたんだよ」と簡単に答える。

今さら帰る訳にもいかないし、真美もいるし、まぁいいっかと杉原さんが一人でいた席に付いた。

「待ってたよ、何でも好きなもの頼んで」と相変わらず軽いノリで言う。

予想外の展開と遠慮して余り食べない私に杉原さんは3人では食べれない量の注文を次々にした。

お腹が一杯になった頃、真美が「用事があるから帰るね」と言い出した。

私は焦って「じゃあ私も帰ろうかな。ご馳走様でした。美味しかったです。」と言い立ち上がった。

「まだ料理も残っているしもう少し杉原さんにおつきあいしてあげれば?」と真実が言い、杉原さんも「そうしてよ、まだ急いで帰る時間でもないし、送っていくから」と言う。

「もうちょっとだけなら」と私はまた座った。

なのに5分位したら「出よう」と杉原さんが立ち上がった。

はぁ??何故??と思いながらも、「はい」と後を付いて行った。

「会社に頼むね」とお金は払わずに店を出た。

会社の経費にするのか…

「さて、まだ早いからちょっとドライブに付き合ってくれない?」杉原さんは言った。