原発再稼働に反対している人達がいますが、彼らは日本以外の原発には寛大なようです。

 

中国では現在19基の原発が運転中で、29基を建設中、計画中のものは255基もあります。中国の原発で事故があれば、偏西風に乗って日本に放射性物質が飛んでくる可能性は十分あります。

 

原発は大量の水を使用するため、中国の原発の多くは海沿いにあります。渤海湾周辺には多くの原発が建設中で、福岡県や佐賀県からは1,000キロ足らずの距離しかありません。おまけに、渤海湾周辺は中国でも地震が多い地域で、何度も大きな地震が発生しています。1976年には、地震で24万人を超える死者も出ています。

 

更に中国で原発を運転となると、安全面にどれだけ取り組んでいるのかが大きな不安となります。2011年に中国の高速鉄道で事故が起きましたが、ドイツ人が23か月かけて学ぶ運転技術を、中国では10日で学ばせていたことが分かっています。

 

原発の運転についても、次々と原発が増えるためオペレーターへの教育期間が短く設定されているようです。高速鉄道と同様に、原発でも事故が起こったとしても不思議ではないような気がします。

 

また、中国の原発では新型の原子炉が幾つかあります。新しい型の場合、旧来タイプのものに比べて、どのような不具合が生じるのかが予測できません。そのため、慎重に時間を掛けて運転を開始するのが常識です。しかし、中国では完成してから早い段階で運転を開始することになっています。

 

新しい型だと、最新の事故対応が施されているのは確かですが、予想もしない不具合が出ることがよくあります。実際に運転をしていく中で発生した不具合を解決していくことで、安全な運転が可能になっていくようになるのです。パソコンのOSでも、最新のOSは色んなバグが出るので、1世代前のOSの方が安定しているのと同じで、原子力発電所も最新の方が安定性に欠けるのです。

 

 

韓国でも、今後は原発を増設する計画になっています。現在26基の原発があり、2021年までに7基増設する予定です。

 

日本では報道されていませんが、韓国では原発周辺で甲状腺癌に罹った住民が原発運営企業を相手に損害賠償訴訟を起こしています。それも、現在原子力発電所がある4か所全てで、住民が訴えています。

 

日本の原発周辺では、住民の多くが甲状腺癌に罹ったということをほとんど聞きませんが、韓国では原発の周辺住民が甲状腺癌を発症するのは珍しくないようです。それだけ、周辺に放射能が漏れているのではないでしょうか。

 

韓国の原発では不良品の部品が多く使われており、運転中止になったり建設中の施設の完成が遅れたりすることが頻繁に起こっています。大きな災害が無くても、日常の運転中に放射性物質が漏れ出ていても不思議ではないようです。

 

原発からの放射性物質が漏れている影響なのか、大気中の放射性物質の量は、ソウルは東京や仙台の2倍以上あるようです。

 

韓国に比べて中国の原発の事故は伝わってきませんが、中国の場合は事故があっても公表していないことが考えられます。

 

 

また、先日ドイツのメルケル首相が来日しました。そのときに、「日本もドイツのように脱原発すべき」と訴えていました。ドイツは脱原発を宣言していますが、実際にはドイツ国内で8基の原発が運転中です。

 

そして、多くの原発の運転を停止したため電力不足になっており、周辺国から電力を輸入しています。フランス、チェコ、オーストリアなどから電力を輸入していますが、フランスやチェコでは原発で発電しています。つまり、原発で作られた電力をドイツは輸入しているということです。

 

脱原発と言っておきながら、現在でも国内で原発が運転中で、更に原発で作られた電力を輸入しています。これって、本当に脱原発と言えるのでしょうか。

 

それに、日本はドイツと違って、電力が不足したからといって地理的な問題から外国から輸入することはできません。


 

日本国内で原発の稼働に反対している人達は、中国、韓国、ドイツに対して何故反対しないのか不思議ですね。中国や韓国は、現在よりも原発を増設しようとしていますが、それには何も言わないのでしょうか。ドイツのように口先だけで脱原発と言えば、実際に原発に頼っていても何も言わないのでしょうか。

 

 

更に、原発反対派の中にはとても恐ろしいことを考えている人がいます。もう一度原発事故が起これば、より多くの人が原廃止に賛成するようになるから、関西辺りで再度原発事故が起こった方がいいと考えている人がいるようです。

 

このような考えをする人は、頭がおかしいのではないでしょうか。原子力発電所が危険だからという理由で原発反対を訴えているのに、原発事故が起こった方がいいと言うのは非常に矛盾していると思います。

 

おそらく原発廃止というのが目的であって、原発の危険性をなくすのが目的ではないのでしょう。だから、原発廃止という目的のためには、再度原発事故があった方が都合がいいという考えをするとは、なんとも恐ろしい人達ですね。



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