「おはようさん。今日もいい天気だな」
ハナブはウーンと両手を青い空に突き上げ伸びをした。
ここはアリアン。
砂漠の中にたたずむオアシスを拠点として栄えた都市。
「おや、ハナブ。今日は早いのね」
向かいに店を構えるハスピンだ。
「ご奉仕最後の日、だからな」
「そうね・・・」
彼は定価の8割で物品を買い取るという、冒険者の懐にとても優しい事で有名だった。儲けはほとんど出ていない。正直生活も苦しいだろう。
そこまでして高額な買取をする理由は単純な事だった。
彼はただ、冒険者が好きなのだ。
ぶっきらぼうで口が悪いが、冒険者を見つめる目はいつも優しい。
「まだ・・・彼らには言ってないのよね?」
「・・・ああ」
「しかし、年貢の納め時かね~」
「・・・クロマティーガードに目を付けられちゃな・・・」
「これ以上は難しい」
------------------
数日前・・・ - クロマティーガード本部にて -
「君は、非常に高額で物品を買い取っているという話を聞くが、本当かね?」
「・・・さて?どこから湧いた話だか・・・」
「ほぉぅ、しらをきると?」
「・・・」
このときハナブは、クロマティーガードは既に情報を確信している事を悟った。
「わざわざブルンネンシュティグからお前のところを訪れる者もいると聞くが・・・」
「なぜかな?」
「さてね・・・」
この言葉を発するのが精一杯だった。
「ふん、まあいい・・・手は回してある」
「首を洗って待つのだな」
・・・・
・・・
・・
------------------
世界にはメンテナンスと呼ばれる夜が訪れていた。
まるで、ひと気がなくなり、ネイティブな住人たちは思い思いにこのひとときを過ごす。
「ハナブ、起きてるかい?」
「ぁん?」
「いいのが入ったんだ、いっぱいやるかい?」
「おお、気が利くじゃねえか」
・・・
「おれも、臆病になったもんだ」
「あんな脅しに屈するとはな・・・」
「仕方ないさ、誰もあんたを攻めやしないって」
「逆に感謝されなきゃ」
「今までありがとうってね」
「だと、いいんだがな」
苦笑するハナブ。
いつも豪快なハナブを見ているハスピンには、その日のハナブがとても小さく見えた。
その後に続く長い沈黙は、夜を一層長く、そして深く思わせた。
------------------
夜が明ける。
いつものように冒険者がハナブの元へ訪れる。
「あれ?おっさん少ないぜ?」
「うるせえ!価格改定だ!」
「いつまでも甘えてんじゃねぇ!」
なんだよ・・・と愚痴を漏らしながら立ち去る冒険者。
そんな冒険者を見てハナブは「すまねぇ・・・」と小さく言った。
そんなやり取りをみたハスピンは、ため息をついた。
ハナブの価格改定は、あっという間に世界に知れ渡った。
それだけハナブの存在は大きかったのだ。
ハナブの周りから冒険者が消えた。
やれやれと肩をすくめたハナブ。
まったく、自分が情けねえ・・・とつぶやき頭を垂れた。
・・・
しばらく経った後、ハナブの前に数名の冒険者が。
「おっさん」
「これ、買い取ってくれないかな?」
「ああ?おまえら聞いて・・」
「聞いてるさ」
冒険者はハナブの言葉をさえぎる様に言った。
「おっさんには世話になったからな、今度は恩返しさ」
「おまえら・・・」
「で、買い取ってくれるのくれないの?」
「早くしないと狩場取られちゃうだろ~」
「お、おぅ!」
ニコリと笑って立ち去る冒険者。
「捨てたもんじゃないね」
立ち去る彼らを見ながら言うハスピンの言葉に、少し間を置き答える。
「ああ、そうだな」
ハナブはウーンと両手を突き上げ伸びをした。
アリアンの青い空に。
ハナブはウーンと両手を青い空に突き上げ伸びをした。
ここはアリアン。
砂漠の中にたたずむオアシスを拠点として栄えた都市。
「おや、ハナブ。今日は早いのね」
向かいに店を構えるハスピンだ。
「ご奉仕最後の日、だからな」
「そうね・・・」
彼は定価の8割で物品を買い取るという、冒険者の懐にとても優しい事で有名だった。儲けはほとんど出ていない。正直生活も苦しいだろう。
そこまでして高額な買取をする理由は単純な事だった。
彼はただ、冒険者が好きなのだ。
ぶっきらぼうで口が悪いが、冒険者を見つめる目はいつも優しい。
「まだ・・・彼らには言ってないのよね?」
「・・・ああ」
「しかし、年貢の納め時かね~」
「・・・クロマティーガードに目を付けられちゃな・・・」
「これ以上は難しい」
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数日前・・・ - クロマティーガード本部にて -
「君は、非常に高額で物品を買い取っているという話を聞くが、本当かね?」
「・・・さて?どこから湧いた話だか・・・」
「ほぉぅ、しらをきると?」
「・・・」
このときハナブは、クロマティーガードは既に情報を確信している事を悟った。
「わざわざブルンネンシュティグからお前のところを訪れる者もいると聞くが・・・」
「なぜかな?」
「さてね・・・」
この言葉を発するのが精一杯だった。
「ふん、まあいい・・・手は回してある」
「首を洗って待つのだな」
・・・・
・・・
・・
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世界にはメンテナンスと呼ばれる夜が訪れていた。
まるで、ひと気がなくなり、ネイティブな住人たちは思い思いにこのひとときを過ごす。
「ハナブ、起きてるかい?」
「ぁん?」
「いいのが入ったんだ、いっぱいやるかい?」
「おお、気が利くじゃねえか」
・・・
「おれも、臆病になったもんだ」
「あんな脅しに屈するとはな・・・」
「仕方ないさ、誰もあんたを攻めやしないって」
「逆に感謝されなきゃ」
「今までありがとうってね」
「だと、いいんだがな」
苦笑するハナブ。
いつも豪快なハナブを見ているハスピンには、その日のハナブがとても小さく見えた。
その後に続く長い沈黙は、夜を一層長く、そして深く思わせた。
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夜が明ける。
いつものように冒険者がハナブの元へ訪れる。
「あれ?おっさん少ないぜ?」
「うるせえ!価格改定だ!」
「いつまでも甘えてんじゃねぇ!」
なんだよ・・・と愚痴を漏らしながら立ち去る冒険者。
そんな冒険者を見てハナブは「すまねぇ・・・」と小さく言った。
そんなやり取りをみたハスピンは、ため息をついた。
ハナブの価格改定は、あっという間に世界に知れ渡った。
それだけハナブの存在は大きかったのだ。
ハナブの周りから冒険者が消えた。
やれやれと肩をすくめたハナブ。
まったく、自分が情けねえ・・・とつぶやき頭を垂れた。
・・・
しばらく経った後、ハナブの前に数名の冒険者が。
「おっさん」
「これ、買い取ってくれないかな?」
「ああ?おまえら聞いて・・」
「聞いてるさ」
冒険者はハナブの言葉をさえぎる様に言った。
「おっさんには世話になったからな、今度は恩返しさ」
「おまえら・・・」
「で、買い取ってくれるのくれないの?」
「早くしないと狩場取られちゃうだろ~」
「お、おぅ!」
ニコリと笑って立ち去る冒険者。
「捨てたもんじゃないね」
立ち去る彼らを見ながら言うハスピンの言葉に、少し間を置き答える。
「ああ、そうだな」
ハナブはウーンと両手を突き上げ伸びをした。
アリアンの青い空に。