世界の経営学についてエッセイのごとく紹介する本
先ず世界で活躍する日本人研究者が少ない事を危惧
(世界最大経営学会参加者は9369人中41人)
3つの誤解
①ドラッカーを読まない
→ドラッカーの名言は良く観察され、納得感のあるものであるが、科学的でない
②HBRは学術誌ではない
→研究を積み重ねる経営学者と実社会で活躍するビジネスマンとの接点
③科学性は未だ薄弱である
※経営学には教科書がなく、論文を読み学ぶ
【経営学の研究領域】
■マクロ
①経営戦略論
②組織論
③横断領域(グローバル・テクノロジーイノベーション・ベンチャー)
■ミクロ
チーム・リーダーシップなど
【経営学ディシプリン】
①経済学:人は本質的に合理的な選択をするものである
②認知心理学
③社会学
【企業とは何か?】
①効率性:市場取引ではコストがかかりすぎる部分を組織内に取り込んだもの
②パワー:企業とはパワーの集合体である
③経営資源:RBV、ダイナミックケイパビリティ、経営資源の集合体である
④アイデンティティ:経営者や社員がアイデンティティやビジョンを共有できる範囲である
【ポーターの戦略だけでは通用しない】
SCPパラダイムという考え:ポジショニングが重要
①競合度が低く、新規参入が難しく、価格競争が起きにくい、つまり競争の少ない産業を選ぶ
②市場の中でユニークな地位を築く:差別化戦略(価格競争に巻き込まれないように)
以上の戦略をもって如何に競合他社との競争を避けるか
→しかしハイパーコンペティション時代の今、競争しないで優位性を維持することは不可能に近くなってきている。
最近は、一時的な競争優位を何度も築くべく、積極的に競争行動をとる企業のほうが高い業績が出るとのデータがある。
競争行動(新製品投入、製品のモデルチェンジ、価格下げる、大胆な販促活動)
【組織の記憶力を高める】
トランザクティブメモリーが重要である。つまり、誰が何をしているかを共に把握出来ている組織作りが重要になる。
Sansanの名刺管理とかも同じ仕組みだろうなと思う。
唯、その他部署間とかですぐにコミュニケーションが取れるような文化なり、環境づくりは経営者の仕事だと思う。
【みかけの経営効果にだまされるな】
ここでは、組織の業績アップの結果と要因が正しく結ばれていないことを危惧しており、
要因と結果については厳密に考える必要があると述べられている。
ベンチマーク調査の多くは、内生性を考慮できていない。
→ベンチマークでは、対象企業の戦略と業績を結びつける前になぜその企業がその戦略を選択したのか背景を徹底的に分析し、別の要因がむしろ業績に影響を与えているのではないかと疑ってみることが重要。あるいはその経営効果はどのような条件でもつねに成立するものなのか疑ってみることが重要。
さらに、経営効果のデータを見せられた時、安直にその結果を受け入れるのではなく、因果関係の図を描くことは有効な方法である。
また、ベンチマーク調査では、業界トップ企業だけを調査するのではなく、業績が好調でない企業を対象に加えることも一案である。
【イノベーション】
イノベーション:企業が革新的な技術、あるいは商品やビジネスモデルを生み出すこと
生み出す方法は既に存在している知と知を組み合わせることである。
知を深めビジネスにうまく活用し、収益を生み出すことが重要。
継続的なイノベーション実現を達成するためには、二つのことを同時にバランス良く実現する必要がある。「知の探索」「知の深化」である。
リアルオプション
事業計画では、不確実性のあるものにはとりあえず仮定を置くことになるが、それを事前にリストとして書き出しておくべきである
事業計画とは単に計画を練るものではなく、事前に不確実性を洗い出し、仮定は仮定として認識し、それを恒常的にチェックするために行うもの