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©CYBIRD
only my knight
第3話-プレミア(Premier)END
改めて、アランが側にいてくれることに、心の中で感謝する。
そんな想いで見上げると、アランの瞳が微かに揺れて…
アラン:…あいつの言う通りだな
レン:え?
(あいつって…何のことを言っているんだろう?)
首を傾げた時、ふと扉の向こうから声をかけられた。
メイド:プリンセス。まだ起きていらっしゃいますか?
(メイドさん…?)
(何か用事かな)
アランを気にしつつ、扉へ足を向けようとした瞬間、
いきなりアランの腕が伸びてきて、身体を引き寄せられた。
レン:え…
驚いて声をあげようとすると、
そのまま声まで飲み込んでしまいそうな、深い口づけが落ちる。
レン:っ、アラ……んっ……
(まだ、メイドさんがいるのに…)
その想いがいつもよりさらに鼓動を速くさせた。
口づけの角度が変わるたびに、唇からこぼれそうになる声を、必死に抑えていると、
近くの壁に微かな音を立てて、かかとがぶつかる。
(あ……)
口づけの角度が変わるたびに、唇からこぼれそうになる声を、必死に抑えていると、
近くの壁に微かな音を立てて、かかとがぶつかる。
(あ……)
言葉も動きも、アランの口づけに封じられている間に、
返事がないのを寝ていると思ったのか、メイドさんが去っていく足音が聞こえた。
レン:ん……ん、はぁ…
それと同時に唇が離され、アランの澄んだ瞳と間近で視線が絡み合う。
私は力が抜けかけた手でアランの腕に掴まり、
戸惑った声で問いかけた。
レン:どうして、急に……
そう言いながら、顔を熱くしていると…
アラン:今は、お前のこと離したくない
心の奥まで射抜くような、真剣な眼差しで言われて、
胸が甘く締めつけられる。
レン:アラン…
私を抱きしめる力をわずかに強めてアランは再び口を開く。
アラン:今日は何とか間に合ったけど、
アラン:離れなかったら、駆けつけるのがギリギリになることもなかっただろ
アランの後悔の念を含んだような言葉が、私の中に落ちてくる。
(今日の懇親会でのことを、気にして…)
私はアランに責任を感じてほしくなくて、
そっと心に寄り添うように、広い胸元に顔を埋めた。
するとアランは、応えるように私の頬を撫でて…―
私はアランに責任を感じてほしくなくて、
そっと心に寄り添うように、広い胸元に顔を埋めた。
するとアランは、応えるように私の頬を撫でて…
アラン:いつもつきっきりで側にいられない分、
アラン:今、一番近くにいるって感じさせろよ
アランの言葉の一部分に、はっとして、私はあることを思い出した。
(つきっきり…)
レン:もしかして、昨日のユーリとの話…聞こえていた?
〝ユーリ:うん。例えばこの城にも騎士団はいるけど、〞
〝ユーリ:つきっきりで、レン様と一緒にいるわけじゃないでしょ?〞
訊ねると、アランは一拍置いてから答える。
アラン:…ああ
(だから『あいつの言う通り』って言っていたんだ)
納得すると共に、もう一つ思い出すことがあった。
〝アラン:明日も、いつも通りちゃんと守る〞
〝アラン:…それだけ〞
(珍しいなって思ったけれど…ユーリとの話を聞いたから、ああ言ってくれたのかな)
些細なことでも気にかけてくれたアランの優しさに、嬉しい気持ちが溢れる。
レン:オペラの話…気にしてくれていたんだね
温かい気持ちのまま表情を柔らかくして言うと、
アランは真剣な瞳を向けて…―
アラン:当たり前だろ。好きな奴のことだから
アラン:俺も、お前と同じ
温かい気持ちのまま表情を柔らかくして言うと、
アランは真剣な瞳を向けて…
アラン:当たり前だろ。好きな奴のことだから
アラン:俺も、お前と同じ
(私と同じって、もしかして…)
〝レン:小さくても、気になるよ…〞
〝レン:アランのことだから〞
〝レン:アランが好きだから……気になるの〞
(あの時のことだよね)
レン:私が言ったこと…覚えてくれていたんだね
アラン:ああ
そう言って微笑んだアランが、
私の横髪を梳くように、さらりと頭を撫でた。
レン:っ…
自分だけに、一心に向けられるアランの想いが、
胸をきゅっと締めつけて、呼吸まで上手くできなくなる。
(応えたい…その想いに)
そんな気持ちを、私は素直な言葉へと変えて告げた。
レン:…いいよ
アラン:ん?
アランがわずかに目を見開いて、聞き返す。
改めて言い直そうとすると、途端に恥ずかしさが増したものの、
私はアランを真っ直ぐに見つめて…―
レン:触れて……近くにいるって、感じて
レン:触れて……近くにいるって、感じて
アラン:……
思い切って告げると、アランの頬がわずかに赤く染まった。
アラン:…ったく。そういうことは目、見て言えんのかよ
レン:え?
小さく首を傾げていると、アランは耳元で少し呆れたような息をつく。
アラン:煽んなって言っただけ
レン:きゃっ
どこかぶっきらぼうに言ったアランに突然、軽々と横向きに抱き上げられ、
そのままベッドへと運ばれた。
そうしてゆっくりと下ろされるのと同時に、アランの身体が覆いかぶさる。
アラン:嫌って言っても、離さねえから
掠れた声で囁いたアランの髪が、頬にさらりと触れ、
微かに開いた唇からこぼれる吐息まで奪うように、口づけられた。
レン:っ……ん…
深くなる口づけにびくりと肩を震わせるものの、
アランは、さらに深く甘く、舌を絡めていく。
アラン:まだ、足りない
そう言って、アランの腕が首の後ろに回り、自然と顔が上に向けられた。
ごく近くで目が合って、思わず求めるようにその頬に触れると、
アランは少しくすぐったそうに微笑む。
アラン:それ、誘ってんの?
からかうように言われて、繰り返される、とろけるような口づけの合間に、
アランが耳元で低く告げた…―
アラン:今は、俺だけ見てろよ

Only my knight~あなたの腕に守られて~

プリンセスに迫る危機。 守ってくれるのは、
―…あなただけのナイト。
愛しいあの人がナイトとして、一日誰よりも近くにいることに…
………
アラン:明日も、いつも通りちゃんと守る
アラン:…それだけ
……
とろけるような愛につつまれる物語が、ここに…―

第1話:
足音が中庭に響いて…
ユーリ:アラン様!
ユーリの声に、私はすぐに振り返った。
中庭へとやって来たアランの姿を見た途端、つい顔が綻んでしまう。
目を細めながら、ふと頭の中に思い浮かべたのは、
先ほどのユーリの言葉だった。
(朝から夜まで守ってもらう、か……)
アランにはいつも守ってもらっているものの、
朝から夜までつきっきり、という場合は少ない。
(もしも…アランが、ずっと側にいてくれたら…)
そんな想像をしただけで、頬に微かな熱が灯った。
熱くなった頬を軽く押さえた時、ある考えが浮かんで、はっとする。
少し緊張して鼓動を速めていると、
アランはいつも通りの様子で、こちらに声をかけた。
アラン:ここにいたのか
そう言ったアランは、特に変わらない様子に見える。
(現実の騎士は、つきっきりではいられないという話…)
(変に誤解されたりしたら…と心配したけれど、)
(よかった…。聞いてなかったみたい)
(変に誤解されたりしたら…と心配したけれど)
(よかった…。聞いてなかったみたい)
私は密かに胸を撫で下ろして、アランに向き直る。
レン:もしかして…私のこと、探してたの?
アラン:ああ。レッスンの時間だから
アランが呆れた様子で言って、背にしている時計塔を示す。
レン:え…
はっとして見ると、いつの間にかレッスンが始まる時間になっていた。
レン:あっ…ごめんなさい
私が慌てて謝ると、
続いて側にいたユーリも、アランに頭を下げる。
ユーリ:俺もすみません。つい話が盛りあがっちゃって
アラン:まあ、いいけど
アランは短く答えて、小さく息を吐いた。
アラン:……
(あれ……?)
一瞬、表情が険しくなったように見えて、アランの顔を覗き込む。
レン:どうしたの?
アラン:何でもない
訊ねると、アランの表情からは、すぐに険しさがなくなった。
(気のせい、だったのかな…)
内心、首を傾げていると…―
(気のせい、だったのかな…)
内心、首を傾げていると…
アラン:とりあえず、いくぞ
どこか素っ気なく言って、アランはふいっと背を向けて歩きだした。
(やっぱり、気のせい…ではない…?)
レン:う、うん
何か心に引っかかるものを感じながら、小走りでアランの隣に並ぶ。
ユーリ:頑張ってねAlice様
レン:ありがとう
笑顔で見送ってくれるユーリに、
私は微笑みを返して頷いた。
そうしてレッスンを終え、外がすっかり暗くなった頃…―
私は戻した馬を撫でながら、
隣の馬の様子を見ているアランに、そっと声をかけた。
レン:あのね、アラン…
アラン:何だよ
なんだか言いにくくて、すぐに言葉を続けられないでいると、
アランは、いぶかしむような視線を私に向ける。
レン:レッスンの時間を忘れてたこと…やっぱり、怒ってる?
ずっと胸に引っかかっていたことを訊ねると…―
アラン:は?
ずっと胸に引っかかっていたことを訊ねると…
アラン:は?
レン:その…中庭まで探しに来てくれた時、ちょっと表情が険しく見えたから
あの時、ふと見せたアランの様子がどうしても気になってしまう。
(本当に…気のせい、なのかもしれないけれど)
わずかに緊張して言葉を待っていると、
アランが何かを考えるように、じっと私を見つめた後…
レン:っ……
ふいに私の額を指で軽く弾いた。
アラン:小さいこと、いちいち考えすぎ
レン:え…?
弾かれた額を指先で押さえ、私はぽかんとしながらアランを見つめ返す。
アラン:怒ってねえから
アラン:別のこと考えてただけ
そう言ってアランは、ふっといつも通りの優しい笑みを見せた。
アランの笑顔を前にして、ほっと息をつく。
(やっぱり気のせいだったのかも)
(でも…)
レン:小さくても、気になるよ…
レン:アランのことだから
言いながら、恥ずかしくなってきて視線を伏せると…
アラン:ふーん
アランの、どこか含みのある声が聞こえたかと思うと、
ふいに伸びてきた手で顎を持ち上げられて、再び視線が絡み合って…―
アラン:もう一回
アランの、どこか含みのある声が聞こえたかと思うと、
ふいに伸びてきた手で顎を持ち上げられ、再び視線が絡み合って…
アラン:もう一回
レン:えっ
アラン:そういうことは目、見て言えよ
私の反応を試すかのように意地悪く言われて、
鼓動が大きく反応を示す。
(照れてしまうから、目を伏せたのに…)
ほんのり拗ねた気持ちになりつつも、
アランに言われたら、つい応えたくなってしまう。
私は騒いでいる胸を押さえながら、言葉を紡いだ。
レン:アランが好きだから……気になるの
澄んだ瞳を見つめ返しながらそう言うと、
微笑んだアランが、いきなり私の鼻をからかうように、きゅっとつまんだ。
レン:……!
驚いている間に、アランの手はすぐに離れ、
私はどこか優しい指先の感触が残る鼻先に、思わず触れる。
レン:ア、アラン…? 今のは…
アラン:ちゃんと言ったから、その褒美
そう言ってアランが口の端を持ち上げた。
レン:もう、ご褒美って…
(何だか……いつもより意地悪、かも)
そんなことを考えながら、さらに胸をさざめかせていると、
アランは私の髪をさらりと撫でて、言葉を続ける。
アラン:それより部屋戻ったら、さっさと休めよ
アラン:明日、早いから
第2話:
アランは私の髪をさらりと撫でて、言葉を続ける。
アラン:それより部屋戻ったら、さっさと休めよ
アラン:明日、早いから
(そうだった)
明日は、ある公爵が主催する貴族の方々との懇親会があり、
アランも護衛として、ついてきてくれることになっていた。
レン:うん。そうするね
私は笑顔で答えて、そこでふと思い出す。
(そういえば、特別なおもてなしをしてくれるって手紙に書いてあったな)
明日の懇親会に想いを巡らせると、そっと手が取られる。
レン:っ…アラン…?
アラン:明日も、いつも通りちゃんと守る
アラン:…それだけ
レン:あ、ありがとう…
(アランがこんなこと言うなんて、珍しい気がする…)
(でも、はっきりこう言ってもらえるのは嬉しいな)
私は笑顔で頷き、アランと共に厩舎を後にした。
翌日…―
私は予定通り、公爵が主催する懇親会に出席していた。
(特別なおもてなしって、このことだったんだ)
ホールの中央で華麗な技を披露する曲芸師に、惜しみない拍手を送りながら、
隣に立つ公爵に微笑みかける。
レン:こんなに素晴らしい曲芸は、初めて見ました…すごいですね
公爵:ありがとうございます。このあたりでは有名な曲芸師です
曲芸師が、いくつものナイフをかわるがわる宙に投げ、受け止めるたびに、
招待客たちから歓声が上がった。
(アランも早く戻れたら、一緒に見られるんだけど…)
曲芸師が、いくつものナイフをかわるがわる宙に投げ、受け止めるたびに、
招待客たちから歓声が上がった。
(アランも早く戻れたら、一緒に見られるんだけど…)
ふとそんなことを考えながら、
私は先ほどまでアランが立っていた方を、ちらりと見る。
少し前、会場に面した中庭で物音がしたため、
アランが様子を見に行ってくれていた。
(まだ戻って来ないけれど…大丈夫かな…)
ほんの少し残念に思いつつ、再び曲芸に意識を戻した瞬間…
レン:……っ!
曲芸師の手元が狂ったのか、投げられたナイフが、真っ直ぐこちらへと向かってくる。
公爵:プリンセス…!
公爵の切羽詰まった声が響いた。
(逃げなきゃ、いけないのに…)
けれど、すっかり足がすくんで動けない。
思わずその場で、ぎゅっと目を閉じる。
するとその瞬間、力強い腕に身体を引き寄せられた。
レン:えっ…
訳が分からず、目を閉じたままでいる私の耳元に、
よく知った人の、少し緊迫した声が飛び込んで…―
アラン:動くなよ
訳が分からず、目を閉じたままでいる私の耳元に、
よく知った人の、少し緊迫した声が飛び込んで…
アラン:動くなよ
(アラン…!)
囁くアランの声と同時に、
すぐ側で金属がぶつかるような、高い音が響く。
レン:きゃ……
恐るおそる目を開けると、
アランが私をかばうように抱きしめ、
もう片方の手で剣を抜き、ナイフを床に叩き落としていた。
アラン:大丈夫か
突然のことに呆然としている私を、アランがじっと見つめる。
私は、はっとして、すぐ側にあるアランの顔を見上げて頷いた。
レン:うん…。ありがとう
安心する温もりに包まれて、強張っていた身体が徐々に緩んでいく。
(アランが来てくれて…良かった)
ほっとしてアランの胸に軽く頭をもたれさせていると…
公爵:お怪我はありませんか…!
公爵の焦った声がして、私は弾かれるように顔を上げた。
すると、公爵や他の出席者、そして曲芸師が、
真っ青な顔でこちらへ駆け寄って来るのが見えて…―
公爵の焦った声がして、私は弾かれるように顔を上げた。
すると、公爵や他の出席者、そして曲芸師が、
真っ青な顔でこちらへ駆け寄って来るのが見えて…
レン:あ…
(ここで、大きな騒動になってしまってはいけない…)
平謝りする曲芸師に、私は微笑んで言う。
レン:大丈夫ですから、気になさらないでください
曲芸師:ですが……
今にも泣きそうになっている曲芸師の手を、私は安心させるようにそっと包んだ。
レン:今日は、素敵な曲芸を見せて頂きありがとうございます
レン:次は、ウィスタリア城でも見せてもらえませんか?
すると曲芸師は、みるみるうちに表情を明るくした。
曲芸師:……! はい。必ずご披露させて頂きます…!
その言葉に笑顔で頷いて、心配そうに見ていた公爵にも声をかける。
レン:公爵もどうか、今夜は何ごともなく、無事に終わったことにして頂けませんか
公爵:寛大なお心に、感謝します
そうして、その場をおさめて懇親会が終わり…―
城へと戻ってきた私は、
馬を置き、甲冑を脱いだアランに部屋まで送ってもらっていた。
レン:今夜はありがとう
にっこりと微笑んでお礼を言うと…―
アラン:…………
レン:今夜はありがとう
にっこりと微笑んでお礼を言うと…
アラン:…………
アランが黙ったまま、真剣な瞳で私を見つめる。
レン:……?
そのまま二人で部屋へ入ると、アランが後ろ手に扉を閉めた。
レン:アラン…?
不思議に思っているとアランは、じっと私を見つめ、
心配そうに、するりと頬を撫でる。
アラン:本当に、怪我してないよな
レン:うん、平気。あの時…アランが来てくれたから
アランの優しさがじんわりと伝わって、
私は笑みをこぼした。
(ずっと、気にかけてくれていたんだ…)
アランはあの時、ナイフが投げられる少し前に会場へ戻っていたため、
助けることが出来たと、帰り道で話してくれていた。
(やっぱり、アランはどんな時でも守ってくれる)
(心強いな…)
改めて、アランが側にいてくれることに、心の中で感謝する。
そんな想いで見上げると、アランの瞳が微かに揺れて…―
アラン:…あいつの言う通りだな