板野友美と川崎希のケンカの次の日。
石田晴香は、川崎に言われた通り友美を屋上に連れて行った。
「お、来たか。」
屋上に着くと川崎が待っていた。
「昨日はごめんね。怪我大丈夫??」
「別に。」
友美は正直大丈夫ではなかったが、弱さを見せるのは嫌だったのでそっけなく答えた。
「さて、本題だけど。君たちはあたしにあんだけ言われても、まだ友達の敵を取りたいと思ってる?」
「・・・え??S・D・Nの奴らのところに連れてってくれるんですか!?」
「まぁ聞いて。S・D・Nはほとんどがキミたちより年上で高校には行ってない。だからギャルサーというよりは愚連隊みたいなものね。しかもどいつを取ってもケンカ慣れしてるからそこそこ強い。」
「・・・。」
「それに板野。キミはやられた友達とは別にそんなに親しくないんでしょ?それでも行くの?」
「・・・晴香の友達はあたしの友達。それに・・・同じ学校の仲間っすから。」
「・・・そっか。」
川崎はその答えを聞くと満足そうだった。
「いい目だね。じゃあ行こっか。」
しかし行こうとする川崎を晴香が慌てて止めた。
「ちょ、ちょっと待って!今から行くの!?友美は昨日の傷、全然癒えてないですよ?」
「なに晴香??びびってんの?」
「心配してあげてんのよ!」
「まぁ確かに一理あるけど・・・板野。大丈夫でしょ?」
「余裕っすよ。」
「もう・・どうなっても知らないからね!」
そして3人は学校を出て川崎の案内のもと『S・D・N』のアジトへ向かった。
「ここだ。」
着いた場所は地下にある使われていないクラブだった。
「行こうか。」
川崎がドアを開けた。
中には紫のジャケットを着たS・D・Nのメンバー達が30人ほどいた。
「おいおい。『XANADU』の幹部が何の用だ??」
一番奥にいた女が叫んだ。
「久しぶりだな西国原。あたしの学校のヤツがお世話になったみたいで、お礼をしにね。」
西国原と言われた女が椅子から立ち上がりこっちへやってきた。
「なんだ?幹部自ら停戦協定を破棄するつもりか?」
「先に手を出してきたのはテメーらのくせに。XANADUのメンバーじゃなくてもあたしの学校の子に手を出すのは許さない。」
「ほ~やんのかよ?」
「ほんとはあたしが殺してあげたいとこだけど・・あたしは一応XANADUの幹部だからね。今日はどーしても友達の敵討ちたいってヤツらがいるからさ・・・こいつらが相手する。」
川崎が友美と晴香を指指した。
「なんだこのガキ??」
「うちの学校の後輩さ。」
「ふん!くだらねえ。ガキじゃ相手になんねーよ。」
そこで友美が叫んだ。
「うるせーよ!ごちゃごちゃ話してるほどヒマじゃねーんだ。さっさとうちの学校のヤツやった奴ら出せよ!?」
「あぁ?口の利き方に気をつけろ!」
「なんだ?・・・それともテメーがやったのか?」
友美が西国原を睨んだ。
「ふんっ。おいホントにいいんだな川崎。こいつらが相手で?」
「ああ。あたしは手を出さない。」
「バカだな・・・おい!出て来い!」
西国原が叫ぶと後ろから4人の女が出てきた。
「おめーらのダチをやったのはこいつらだ。お前ら2人でやる気か?」
すると川崎が言った。
「提案がある。」
「なんだ?」
「2対4のタイマン勝ち抜き戦にしよう。」
「勝ち抜き戦だと?」
「ああ。それだったら2人が全員倒すかもしれないし、こいつら2人がお前らの1人にやられるかも知れない。面白いでしょ?」
「ちょっと川崎さん!楽しんでないっすか?」
友美が聞くと川崎は笑っていた。
「大丈夫だ。お前らが負けるなんて全く思ってないからさ。」
「大した自信だな!よーしその勝負受けて立ってやる。」
「勝っても負けてもこの件はこれで決着だ。それでいいな西国原?」
「勝手にしろ!」
西国原が奥へ戻ると、S・D・Nのメンバーがクラブの真ん中を空けて円になった。
その中心に4人の中の1人が出てきた。
「どーやら1人目はあいつみたいだな。お前ら負けんなよ。」
川崎が笑いながら友美と晴香の肩を叩いた。
二人はびびっているわけではなかったが、その笑顔を見て安心した。
「よーし・・ぶっ殺す!」
友美が気合を入れて行こうとすると、後ろから肩をつかまれた。
「友美は怪我してるでしょ?あたしが行くよ。」
「晴香・・・。」
「大丈夫、任せて。あたしが全員やっちゃうから!」
そう言うと晴香は円の中心に進んで行った。
晴香の戦いが始まった。
7話へつづく。