~オレンジ文庫~

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AKB48のメンバーで小説を書いています。
小説「それでも明日はやってくる。」と「マジすか学園ZERO」を連載中です。
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3人でS・D・Nのアジトへ乗り込んだ日から、板野友美と石田晴香は川崎希とよく会うようになっていた。

友美と晴香は「川崎希から一目置かれている2年生」として注目されるようになった。


「友美、今日も川崎さんのとこに行くの?」

「行くよ。」


友美はあの日から川崎にケンカの稽古をつけてもらっているのだ。


「晴香は?」

「あたし今日ちょっと用があるから先に帰るね。」

「そっか。」


晴香が帰ったあと、友美は川崎が待っている屋上へ登った。

ドアを開けると、いつも通り川崎が座って景色を眺めている。


「川崎さん。」

「お、板野。いいところに来た。キミ今日時間ある?」

「まぁ・・とくに予定はないですけど。」

「よし、じゃあ行こう。」

「えっ?どこにですか?」

「喫茶店にお茶を飲みにさ。」


言われるまま友美は川崎についていった。

「確かに川崎さんってオシャレな喫茶店とか似合うもんな・・・」と友美が考えていると、川崎が口を開いた。


「今から喫茶店で友達と会う約束をしてるんだ。」

「え?あたしも居ていいんですか?」

「大丈夫。そいつに板野を紹介しようと思ってたとこだし。」

「・・・で、誰に会うんですか?」

「黒子中学校の浦野一美って子。あたしと同い年で黒子中を仕切ってる。」

「へぇー。強いんですか?」

「もちろん。」

「ふーん・・・黒子中の浦野ねぇ・・・」

「板野。あたしと一美は親友なの。だからあたしは黒子中と争う気はない。キミはあたしの後輩なんだから、勝手に黒子中ともめたりしないでよ。」

「はぁ。」


そして待ち合わせの喫茶店の前に着いた。

喫茶店の名前は「タネ」。


「それと板野。」

「なんですか?」

「さっきひとつ言い忘れてたんだけど、一美のことを『浦野さん』って呼んだらだめだよ。一美のことは『シンディー』って呼んでね。」

「シンディー??」

「そう。あたしもシンディーって呼んでるし、本名で呼んだら怒るから。」

「はぁ・・・なんでシンディーなんですか?」

「それは・・・見たらわかるよ。」


そう言うと川崎はドアを開けて店の中へ入って行った。

友美もそれについて行く。

中へ入ると黒子中の制服を着た女が2人いた。

1人が座っていて、その横にもう1人が立っていた。


「久しぶりシンディー。」

「あ、希~!久しぶり!」


『シンディー』と呼ばれた女は頭にティアラを着けていた。

友美は「見ればわかる」と言ったさっきの川崎の言葉を理解した。


「柏木も久しぶり。」

川崎がもう1人の立っている方に話しかけると、「柏木」と呼ばれた女はぺこっと頭を下げた。


「あれ希?その子は?」

「あぁこいつは板野友美。うちの中学の2年だ。今日はシンディーに紹介しようと思って。」

「そーなんだ。よろしくね!」

「・・・ども。」


友美は軽く頭を下げた。

川崎が椅子に座り、友美も横に座ろうとすると、頭を叩かれた。


「痛ッ!なんすか川崎さん!?」

「バカ。板野は立っといて。柏木を見習いなさい。あいつは柏木由紀っていって、板野と同い年だぞ。」

「ちぇっ。」


しょうがなく友美は川崎の隣に立つと、柏木と目が合った。

いつもならガンを飛ばす友美だが、川崎に「黒子中とはもめるな」と言われたばっかりだったのですぐ目を逸らした。


「で、話しってなに?」

「ニュースだよ、希。」

「ニュース?それは良いニュース?」

「うーん良いニュースではないかな。特に希には。」

「じゃあなおさら聞くしかないね。」


少し間を開けて、頼んでいたコーヒーを飲むと、シンディーは川崎の目を見ながらゆっくり言った。




「・・・小原さんが帰ってきたって。」




第10話へつづく。