江國 香織
雨はコーラがのめない

江國香織というひとは

僕より年上なのにこういうと失礼だけど


すごく女の子だと思う


男っぽい女の子とか

中性さを感じる女の子とか

透明感のある女の子とか


いろいろいるけれど


彼女の本を読んでいて

ものすごく感じるのは


女の子だなあ


ということ


そこが男の僕からすると

たぶん、一番惹かれるところで

彼女の本を読むのだろう


だからあまり小説は読まない

エッセイは必ず買っていると思う



この本には

彼女と雨(犬の名)が聴くCDが紹介されている


それを、iTuneやAmazonで実際に試聴しながら

本を読んでいくと

彼女の言いたいことがよくわかって

おもしろい


江國香織はこういう曲が好きなのか

やっぱり女の子だなあ

と思ったりする


Simply Redの

IF YOU DON'T KNOW ME BY NOW

イントロだけで、私はたちまち泣きたくなる


といったり


とっても女の子である女の子がそうであるように


少女っぽくない、わずかに香水くさいというか、女っぽいというか

すくなくとも裸足の少女ではない、白い、きれいな靴下をはいている

エンヤが好きな歌手ではなく


鍛えられた肉体とスキンヘッドの

シンニード・オコナーが好きだ



雨は犬だけど

僕は江國香織とおなじように

猫と同じ部屋で暮らしている女性を知っている


私は思うのだけど、室内で動物を飼うということは

人間の都合と動物の野生のせめぎあいなのだ


とてもよくわかる



短いエッセイの集まりで

雨にも会ったこともないのに

途中で、急に雨の目が見えなくなってしまうところ

そして、それからの雨


どうしてだろう

とっても悲しく、ぐっとなった


たぶん、一話一話

紹介される曲を試聴しながら読んで

彼女と犬の生活にのめりこんだからだろう


短く、薄い本だけど

音楽とともに本を読むことの

たのしみを教えてくれる本だ