傷口を開く心地好さを知ってから、僕は癒すつもりもない傷を、何度も何度も開いては泣いた。
そんな傷の声をしっかりと聴いた事もある。
「もう、気にしなくていい」
そんな風に言われても、僕にとってあなたは、あまりにも目立つ。
傷は続けてこう言った。
「あなたの好きにすればいい」
そんな言葉に甘えて僕は、また傷口を開いてしまう。
手段ならいくらでもある。
息が詰まるほど、その苦痛は暖かい。
涙を流す度、僕は傷と語り合う。
いつか僕も、誰かの " 傷 " になるのかな?
そんなもん、忘れられるくらいに燃えていたい。
燃えて燃えて、肉体なんて、さっさと灰になってしまえばいいのに。
ね?