現代社会

知識重視の傾向が定着、平均点は昨年度並みか
 昨年度からの知識重視の傾向は、定着したようで、大部分が知識がなければ解答できない問題であり、常識や思考力のみで解ける問題はごく少なかった。ただし、要求されている知識の多くは教科書の範囲内であり、きちんと勉強していれば、着実に点数は取れるだろう。結果的には、平均点は昨年度(57.9点)とさほど変わらないのではないかと思われる。

◎ 昨年度との比較
 <難易度> 昨年度並み
 <出題量> 大設問数は昨年度より減少(8→6)したが、小設問数は変わらず(36)。
 <出題内容> 政治分野の出題減。経済分野では国際経済の出題増。環境分野の出題が激減。
◎ 政治分野は大問6問中1題のみで、国際政治の出題はなし。
◎ 経済分野は大問3題の出題。そのうち国際経済が2題。いわゆる「移行経済諸国」に関する出題は珍しいといえる。
◎ 例年出題されていた環境・エネルギー問題に関する設問が今年度は大幅に減少した。
◎ 昨年度のアンケートに関する大問に続いて、今年度はレポートの作成に関する大問が出題された。












倫理

標準的な設問が多く、レベルは易化
 一部に教科書の掲載頻度の低い思想家(セネカや丸山真男)なども出題されているが、標準的な設問が多く、問題レベルとしては昨年に比べ易化したといえる。本文趣旨の把握や資料読解など考察型の設問も、標準的で受験生にとっては取り組みやすいものであった。教科書や参考書に加え、さらに幅広い学習に挑んだ受験生には、高得点は十分に可能である。平均点としては昨年並みか、それ以上になると思われる。

◎ 昨年度との比較
 <難易度> 易化
 <出題量> 昨年度並み
 <出題内容> 標準レベルの設問が目立つ
◎ 大問構成は昨年同様に、第1問に心理分野(配点8点)が、第5問に現代の課題の分野が置かれている。出題形式もほぼ昨年同様である。解答数は昨年と同じ37である。
◎ 思想分野では『怒りについて』の著者セネカ、進化論の影響を受けたスペンサー、戦後日本人の課題を探求した丸山真男、社会分野ではオタワ条約など、教科書の掲載頻度が低いものも出題されており、学習の広がりや深化も求められた。
◎ 問題本文や資料の読み取り、事例選択などの考察型設問は、本文などの内容と選択肢とを冷静に突き合わせていけば容易に正解できるものがほとんどであった











政治・経済

出題が形式的・内容的に易化して、平均点アップか
 形式的には選択肢の文が短めであること、内容的には難問が少なく、リード文などをヒントにして正解を見出しやすい問題が多いこと――などから、問題は易化したと言える。読図問題に知識を必要としないものが目立つなど、全体として知識問題が減ったことも易化の一因。平均点は昨年(61.05点)に比べてやや上がり、一昨年(64.55点)並みまで上がることも考えられる。政治分野・経済分野の配点比重は5:5程度で、両分野の総合問題化が目立つ点などは昨年同様であった。

◎ 昨年度との比較
 <難易度> 易化
 <出題量> 昨年度並み
 <出題内容> 各分野まんべんなく出題され、知識問題は減少
◎ 政治分野では、第1・2問に易しい問題が多い。難問は第2問の問5(アジア各地の民主化)など数少ない。なお、主要国の政治制度は全く出題されなかった。
◎ 経済分野では、第3問の問2の設問文に公共財の簡単な定義が述べてあるほか、第4問のリード文にアジア通貨危機とその年(1997年)が明記してあるなど、ヒントが多かった。