<今回の江戸:明治神宮野球場3>
土曜日にまた見てしまいました、東京六大学野球。
二週続けてみたことなんて学生の時にもなかったことです。
対戦カードは勿論明治大学vs.早稲田大学です。
両者無敗の6勝0敗、勝ち点3の首位決戦。
先に2勝した方が勝ち点1を得ることができ、
優勝に大きく前進します。
その注目の第一戦目です。
ここまでのチーム打率は早稲田が1位、明治が2位。
チーム防御率は明治が1位、早稲田が2位です。
実力伯仲の両チーム。ゲームも期待がもてます。
この日は朝から雨。そしてハンカチ王子、斎藤佑樹投手の
登板は日曜日だろうという予測からか
「超満員」というわけにはいきませんでした。
しかし、明早両方ともスタンドは8割がた埋まっていました。
この日はさすがに立教戦より観客が多くて
学生応援席の近くには座れませんでした。
しかし、その代わりと言っては何ですが、
たまたま隣の席に初老の紳士と仲良くなりました。
その方は、名門百貨店を定年退職し、六大学野球を
よく見るようになったとか。
何でも慶応ボーイだそうで、第二試合の慶法戦だけでなく
第一試合の明早戦も見たかったそうです。
な~んか、僕は不思議と慶応の人とは縁が
あるんですよね。
明治出身の人より慶応出身の人の方が
縁がある。何でなんでしょうね。
その人には明治側に座ってしまったからには、
明治の応援をしてもらいました。
しかし、僕はと言うと第一試合でおさらば。
慶応の応援はしてあげなかったのでした。
ごめんなさい。けど僕にも都合と言うものが。。。。
で学生さんの方はというと、流石に学生席は満員。
いつも試合前に応援団長(?)はバケツの水をかぶるのですが、
当日はチアリーダーのお姉さんも、水をかぶって
この日にかける意気込みを見せてくれていました。
先発投手は予想通り、明治が水田裕(4年/愛知啓成高)投手。
早稲田が須田幸太(3年/茨城・土浦湖北高)投手という
両エースの投げ合いになりました。
先に相手投手を捕まえたのは早稲田。
三回に四番キャプテンの田中幸長(4年/愛媛・宇和島東高)左翼手の
犠牲フライで先取点。
四回には須田投手が自らのタイムリーで追加点をたたき出し
2-0とします。
早稲田には点が入った時に歌われる「紺碧の空」という応援歌が
ありますが、二回も聞かされました・・・。
久しぶりに思い出しました。ええ思い出しましたとも。久々のこの感覚。
あの時はっきり思い出しました。他校の応援歌はムカつくということを。
何が紺碧の空やねん、力いっぱい曇っとるわ。さっきまで雨降ってたしね。
で、一方、明治は須田投手を捕らえられません。
アウトになるにしても良い当たりが出ません。
そうこうしてるうちに9回まで来てしまいました。
2点差を追う、明治の先頭バッターは
石川出身の4番ファーストの行田篤史(4年/遊学館高)選手。
行田選手はここまで打点、ホームランともリーグ2位。
この日も、既にヒットを放っています。
最終回に先頭バッターが塁に出ると出ないとでは
大きく違ってきます。
学生は自分が応援に来た時に負けるなどというのは
屈辱以外の何物でもありません。
最終回、逆転への望みをかけて
みんなで肩を組み、第一応援歌「紫紺の歌」の大合唱。
アップテンポで「明治明治明治」がエンドレスで鳴り響きます。
学生にとって第一応援歌はヤクルト・ファンの東京音頭、
阪神ファンの六甲颪みたいなもの。
野球を見に行く学生なら歌えない者はいません。
スタンドの応援に奮起したのか今まで抑えられていた
明治打線が須田投手に襲いかかります。
先頭の行田選手は見事、打球をセンター前に運び塁に出ました!
ノーアウトランナー一塁です。
明治応援席は狂喜乱舞。「行田、行田」の大コールです。
続くバッターは五番レフトの小道順平(2年/東京・二松学舎大付高)選手。
小道選手は、この日既に2安打。今日一番信頼できるバッターです。
そして、小道選手の打った打球は快音を残してレフトへ。
しかし当たりが良すぎて真正面・・・。ワンナウト一塁。んん惜しい。
しかし、確実に須田投手に合ってきています明大打線。
次の打者は六番セカンド・藤田真弘(4年/広島・広陵高)選手。
キャプテンです。センバツ甲子園で優勝した時もキャプテンでした。
ここはやってくれるでしょう。
明治応援席はエンドレスの「紫紺の歌」で藤田選手を後押し。
しかし、打球はショートゴロ!まさかケッツー?!
セカンド・フォースアウト!一塁は?!
どうにか一塁はセーフで、ツーアウト一塁です。
ツーアウトになり勝利を確信したのか投球練習をしていた
早稲田投手陣がブルペンから引き上げてきました。
ここで代打に出されたのは期待の1年生・謝敷正吾(大阪桐蔭高)選手。
この緊迫した場面で一年生?!大丈夫か?
という心配をよそに、センター前ヒット!
つないでくれました。
これでツーアウト一、二塁。同点のランナーが出ました!
引き上げてきた早稲田投手陣が急いでブルペンに戻っていきました。
明治応援席は肩を組んで「明治、明治、明治」の大合唱。
熱くなっているのは学生だけではありません。
前の方に座ってラブビー部のウィンドブレーカーを着ていた
60歳代と思われる男性が立ち上がり、そして周りに座っていた人達も
たたせて、紫紺の歌の大熱唱。
長打が出れば同点、ホームランが出れば逆転。
そして明らかに須田投手は終盤から疲れが見え始め
九回に入って球威が落ちています。
早稲田応援席も静かになっていましたが、「す~だ(須田)!」のコールで
須田投手を後押しします。
ここで明治は代打攻勢。バッターボックスは池田樹哉(3年/愛工大名電高)選手。
両スタンドの大声援の中、池田選手の打った強い打球は~~~
残念ながら一塁手のミットへ。
スリーアウト。これでゲームセットです。
結局2-0の完封負けです。
終盤、疲れが見えた須田投手を明治打線は打ち崩せませんでした。
一方、早稲田は昨秋に優勝した時の野手陣が殆どそのまま残り、
経験値としても上だったのでしょう。
第一戦目は臙脂(エンジ)が笑い、紫紺が泣きました。
翌日の日曜日の第二戦目はハンカチ王子の登板でテレビ中継され、
三万の大観衆で埋まったそうです。
しかし、先発した斎藤投手を含む三投手のリレーで明治の完封負けとか。
ひょっとしてプロに進んでいたかもしれない斎藤投手とはいえ
まだ一年生であることには変わりありません。
飲み屋に行ってもジュースか烏龍茶しか飲めない一年坊主に
ひねられるなんて・・・。
明治はまだ優勝の望みが消えたわけではありません。
第五節の明法戦、早慶戦の結果次第では勝ち点、勝率で
早稲田と並び、プレーオフと言う可能性も残っています。
長嶋茂雄さんはプロ入り直後、金田正一さんから四三振を食らいました。
王貞治さんも最初はなかなか、結果を残せませんでした。
しかし、その屈辱が彼らを大きくしたのでしょう。
そうです。人間、成長するには屈辱や挫折が必要なのです。
このまま、何もかもうまくいったら斎藤投手のタメになりません。
明大打線のみなさん、彼の今後の人生のためにも、
プレーオフでは遠慮なく打ち崩して、大学野球の怖さを
教えてやってください。