小学校の教師をしていた時、子どもたちが積極的に本を読むような指導を私は出来ませんでした。
給食を早く食べ終わった時、テストが早く終わった時、
そんな隙間時間に読書をする習慣をつけられたらいいなぁと思いながらも、そうはいかず難しい…
でも!【生駒南小学校】の図書室の本の貸し出し冊数は、順調に増加中。
一年間の貸し出し冊数が5年で約7600冊増えたそうなんです。
詳しいお話を、学校司書の玉村綾子さんに伺いました。
四年前にこの学校に来られて初めにしたこと、それは本のラベルを張り替える作業からでした。
一冊ずつビニールテープを剥がして、日本の図書館共通のラベルに張り替え。
勿論全て手作業で7000冊も。
教職員の方にも事情を説明し、夏休みの職員作業として皆さんで取り組んだそうです。
この「職員の方も一緒に」というところがミソ。
司書が一人で頑張る図書室ではなく、先生も生徒も今後は地域の人まで
みんなが関わり合える図書室にしたいと、玉村さんは仰います。
子どもたちが、素敵な本に出会う機会も工夫されています。
季節の本コーナーに
先生のおすすめ本コーナー!ポップも先生が書きます。
子どもたちが国語の授業の一貫で書いた本の帯も。
よく出来たものはずっと使われると伝えると、子どもたちのやる気も倍増するそうな。
こんな風に、学校にいる人が少しずつ図書室に関わることで、
図書室に足を踏み入れる機会が増える。
こうなれば自然と本に触れる機会も増えていきますよね。
高学年の先生が、クラス単位で図書室に連れて行かれる機会も増えたそうですよ。
もう一つ仰っていたのは「信頼できる大人が信頼できる本を読んであげることが大切」だと。
よく保護者の方に「どうすれば本を読むようになりますか?」ときかれるそうなんです。
ただただ「本を読みなさい」では、子どもは本を手にしません。
そうではなく、お父さんやお母さんが本当に好きな本を読んであげることが大切だと話してくださいました。
沢山の種類である必要はなく、一冊や二冊でいい。
寝る前の5分10分、就学前のお子さんに読んであげることで、
その子の今後の本との付き合い方が大きく変わってくるんだと。
本当に良い本との出会いは、
その子の「価値観」や「善悪の基準」や「世界観」を深めてくれると、そんなお話も聞きました。
「学校司書」という立場は、各自治体によって様々だそうです。
配置されているところもあれば、配置がないところもある。
私が目にした光景は、「学校司書」の方がいてくださることで、
子どもたちが素敵な本と出会う機会は倍増しているというものでした。
全学校に配置されるべきだ、心から思います。
取材をさせていただき、ありがとうございました。