短編 週末の恋人たち (12)ご好評に付き、再度掲載
届いた食前酒は、マスカットを使った甘い白ワインのカクテルであった。 美佐は軽く口を付けただけであるが、片岡は一気に飲み干した。
「 美佐さん、僕はもてないんですよ。 まじめな話しですが、これまでお付き合いをした女性はいません。」
「 そうなんですか? 片岡さん、もてそうな感じなんですけど。」
「 いやぁ、だめなんですよ。自分では真面目だなんて思ってないですし、難いイメージがあるみたいで、取っ付きがわるいみたいですね。」
「 そんなことないんですけどぉ。」
「 まあ、僕はそんな感じです。今度は、美佐さんのこと教えて下さい。」
「 私ですかぁ。私も同じですよ。まったくもてないです。 メガネだし、暗いし。 」
「 そんなことないですよ。私は好感がもてます。メガネもいいと思いますよ。 」
「 あ、ありがとうございます。」
「 まあ、お互いさまということに収めときましょう。」
「 ですね。何か、建設的ではないですよね。 」
そういって、美佐は食前酒を口にした。