短編 週末の恋人たち (3ご好評に付き、再度掲載



美佐は、片岡の趣味に驚きを隠せなかったが、同期入社の女性社員がいなくなった今では、社内ではよく言うお局様と化しているのである。


同期の男性社員で独身もいるが、大抵は恋人がいるか、絶対に美佐の恋愛の範疇には入らないタイプの人間ばかりである。


美佐が、控え目の印象を受けるのは、野暮ったいメガネをかけ、髪を常に後ろで束ねにしていることもその原因だといえる。 そして口数が少なく、自己主張が少ないことも、そうさせているのだろう。


片岡から声をかけられたことは、美佐には以外であった。片岡の外見は、九州男児を絵に描いた様な感じであるが、決して女性にモテナイタイプであり、美佐の会社の中で言えば、競争率が高くなるタイプの男である。


美佐は、会社を終え帰宅すると、読みかけの「くじらの彼」を読み終えて、片岡に渡せる様に準備を整えた。