ちーっと、いっぷく。


・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・11-2


浴場に向かうエレベーターに乗ると、外が見えた。 外はすっかり暗くなっているが、向かいの山肌にライトが当てられ幻想的な感じがした。 海は僕の手を取りって寄り添ってきた。 下に向かうエレベーターはゆっくりと景色を変えて朧気な景色に変化した。 恐らく温泉の成分がガラスに付着してしまっているのだろう。 湯気が見える場所の窓は曇ってしまっていた。 エレベーターが止まり、浴場の方に向かうと沢山の人の姿が見えた。 同じようにホテルの浴衣を着ている家族連れ、それに小さな子供たちがジュースの自動販売機の前で整列している姿が見えた。


「 ゴールデンタイムだよな。 まあ、仕方ないか。 」


「 そうだね。 大浴場だもんね。 」


「 じゅあ、ここで待ち合わせな。 」


「 うん。 」


「 あそこで、バスタオル貸してくれるから、もらって行こか? 」


「 お部屋の持って来たよ。 」


「 うん、わかってる。 ほら、髪の毛あるから、使うだろ。 」


「 変なとこ、気がつくね。 そうだね。 もう一枚あると助かるし、一枚借りよ。 」


浴場入口の番台で、バスタオルを2つお願いした。


「 ほら、海。 お風呂長くなる? 」


「 うん。ちょっとね。 磨いてくる。 」


「 俺もゆっくり入ってくるわ。 せっかくの温泉だしな。 」


「 うん、じゃあ、あとで。 」


「 はいよ。 」


海と別れて浴場に入ると、意外に人は少なかった。 二度目の風呂になり、少し酒も入っていたことを考えて、しっかりと頭から順番に洗った。 ヒノキの湯に入って、外の温泉に向かった。 暗くなり風情が出て気持ちよかった。 隣の女湯にいる海が今何をしているのかが少し気になったが、ゆっくりお湯につかり、これから海と二人で過ごす時間を考えた。


・・・続く。。。・・・