ちーっと、いっぷく。


・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・10-9


海は、お酒を入れたコップを持ったまま僕の隣に座った。 座ったというよりは、椅子の狭い間に割り込んで、僕に体をピタリとくっつけた。 狭いので僕は肩を上に上げると海が更に僕に密着してきた。上に挙げた腕を下げて海の左方を抱いた。


「 くっつきすぎじゃない? 」


「 へへ、だっていいでしょ。 付き合ってんだから。 」


「 っまぁ、いいよ。 でもさ、俺もおとこだからさ、こんな距離は苦手。 」


「 なんで? そばにいるいのいや? 」


「 そうじゃなくて、男としての本能が揺さぶられるってこと。 」


「 意地悪って、思ってる? 」


「 まあそんなとこ。 」


「 そっか。 」


僕と海は、お酒を飲み干して、小一時間は同じ体制のままでいた。 僕は海の肩を軽く抱いていたが、想像よりも小柄で華奢な感じがして、か弱い女性であることを改めて思い知ることになった。 僕の左肩に頭を載せたまま海は、僕に今まで語らなかった海の思いを話はじめた。


「 あのね、心の中では多分、小さな頃から好きだったの。 でも言えなかったし、それはダメなことなんだとちょっと思ってた。 だって、兄妹みたいに私たち育ったでしょ。 小さい頃は空が好きだったみたいだしね。空は良くお誕生日プレゼントくれたでしょ? 憶えてる? そんなのもあって言わないことにしてたの。 でも、田舎を出てから、色々と考えることもあって、好きだって言ってくれる人もいたりして、そんな時に考えるの? 良いのかな?って、空は空で健ちゃんと仲いいでしょ。でも多分私とは違う、空は健ちゃんを男性として好きになったりしないと思うの。 これは、私の姉としての予想。 私たちが付き合ってしまったから、多分そうなるの。 ちょっと前まで想像しないようにしてたの将来のこと。 でもね。今は、はっきりと想像できるし、そうなりたいと思う気持ちが強いの。 勝手に自分で道を決めてるんだけど、それでもね、こうしている時間を幸せだと思うから、ずっと一緒にいるよ。 幸せになろ。」

海は、少し潤んだ目で僕を見上げながら、僕の目をのぞき込んだ。 僕は、コクりとうなづいて、海の頭に頬を載せて、しっかりと肩を抱いた。


・・・続く。。。・・・