短編小説 「 金吾の相場奮闘記 」 ⑱
金吾は、中ノ島証券を退職し、世間でいう相場師になった。世間的には評判の悪い人種である。 不労所得で生活をすることは、世間的言えば、ゴロツキと同じであり、職業人のサイドビジネスですら認められにくい時代である。
「 じゃあ、中ノ島の専務を通じて、更に買おう、買えば世間が注目する。そして、2段上がったら逃げる。 」と金吾は、ヤスさんに話を持ちかけた。株を買うのに中ノ島証券を使うのは、金吾のせめてもの気持ちである。ヤスさんは、すぐに社長と専務に話をして、株を買う手続きをした。
「 ヤスさん、もう一つ頼みがある。 小豆もやる、中ノ島で、そこで僕だとわからない様にして欲しい。用意した会社の名前は、金吾の吾の字から、マルゴです。 」
「おう、注文を出してる先は、マルゴでええ。でも、お前勝てるんか? 」
「 勝てると思うよ。 勝機がないなら、小豆はしません。」
「 そうか。会社としては、手(て:※手数料)が入るから良しってことだわな。 」