ちーっと、いっぷく。
・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・⑥-1 <トレード編>
僕と海がドライブに出かけてから、数週間が経った。
海は、毎週、休日になると僕の部屋に来るようになった。いや、週末だけではなく、会社が早く終わった時などは、夕食を一緒に食べたいといい、僕が戻るまでは部屋で過ごすことが多かった。
FX取引は、お互いに上手くいってはいたが、無理することは決してなかった。
為替の動きが大きくなかったことも幸いして、少しずつ収益を膨らませている感じであった。
変ったことといえば、僕が海のことを「 お前 」と呼んでいたのが、「 海 」と名前で呼ぶようになったくらいだ。でも海は、僕のことを名前で呼ぶことはなかった。
本人に聞くと「 恥ずかしい。 」とのことだった。
「 為替、あんまり動かなくなったな。」
「 そうだね。 でも、スワップ金利はそこそこ溜まったよ。 」
「 まあ、今、5分の1くらいしかやってないんだろ。 」
「 うん。 無理できない時期なら、無理しないのも方針だから。 」
「 俺、今、逆指いれてんだけど、米ドル/円が下に振れると突っ込みそうだから、逆指してある。」
「 ふーん。でもいいんじゃない。 それもいいことだと思うよ。 」
僕は、これまでは安値を拾って、利益を追う方法であったあったが、効率を考えると決していいものではないという結論に達した。
もちろん、安値が来るんであれば、その安値までを追って売りを仕込むことも有益ではあるし、上がるのに時間がかかる割りには、下がるのに時間を要さないのが、チャートからも読み取れる。
そこで、底値の限界点を観察して、底を割れるときには大きく割れるパターンが多いことから、自分なりの方法を見つけ出したつもりである。
FX取引の勉強材料も、本とかFX会社のものから、ブログの記事やニュース配信サイトを利用するようになり、トレードの方法も変ってきたと思う。
勉強していくうちに分かったのは、トレードそのものは公平であるが、市場の公平性は参加者の数量や取り組み方で変ってくるということだろうか。
つまり資金力のある参加者が参加者の少ない市場に発注をかけると一定方向に値動きしやすい、買いが増えれば上がり、売りが増えれば下がるという、市場原理があることが、価格形成の大きな原理であり、それによって変動することは、所謂、市場介入ができてしまう市場であるということ、一般の小さな参加者では勝てない相場があるといことである。
僕は、長いものに巻かれることを決して好んでいるわけではないが、為替の世界では、長いものに就くことが勝者と成りうる近道であると考える。
・・・続く。。。・・・