ちーっと、いっぷく。
・・・・連続・私小説・三姉妹のFX・・・・・⑤-10
海との距離を感じながらも、FX取引を進められたことがきっかけで、以前よりも近くなった。 もちろん初めて海に彼氏がいたことをしったし、それで彼女が悩んでいたことも知った。 僕は、にとって海は幼馴染であり、それ以上に気の許せる異性でもある。 僕が異性を気にしている時、僕自身の異性への興味や気持ちを探るときに比較の対象となるのは、海で間違いはない。
僕が海をその他の女性と同じ立場に持っていくことにおいて、僕は極端に臆病になってします。 恐らく心のどこかにそれが海にもある。 その大きな原因は、幼馴染であるが故に、双方の親を知り、兄弟を知り、家族を知っているからである。 そこにどんな弊害があるかというと、簡単に恋愛に踏み切れば、将来的に何の障害も起こらない、起こったとしても、双方の親族で解決を図る方向に行くだろうという予想がなされること、また仮に恋愛が破綻したとすると、家族を巻き込むだけでなく、他の幼馴染はもちろん、故郷のコミュニティー全体を巻き込む恐れがあるという事実である。 この件に関しては、同郷の諸先輩方が実例を示してくれている。 それだけ故郷の町では、噂の的になりやすいこともあるし、双方の家族を苦しめる原因になるのである。
パーキングエリアでの休憩時に、僕と海はお土産やを覗いたり、周囲を散策したりした。 僕が口火を切ったのは、海が眼下に広がる景色を眺めて、「いい感じ。」と言葉を出したあとであった。
「 お前、さっき泣いてたろ。 気持ちの整理はついたの? 」
「 大丈夫。 誰も 『 最後のボタンを押したらいいよ。』 って、言ってくれなかった。」
「 そうか。 お前が泣くと俺が辛いから、泣くな。 」
「 うん。 元彼との別れが寂しいんじゃなくて、だろ。 」
「 そう。 だから、自分に正直になるのが怖かった。 でも、何て言おう?、和彦さんに。」
「 まあ、『 良く考えました。でもやり直せません。 』、くらいじゃないか。 それでも何か聞くようだったら、友達にもなれないな。」
「 うん。わかった。 じゃあ、電話する。 携帯貸して。 」
「 ん? なんで俺の携帯? で、何で今? 」
「 そうすれば、携帯変えたと思ってもらえるし、話が長くなったら他の言い訳もできるし。」
「 まぁ、いいよ。 ホラ。 」
「 ありがとう。 」
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「 もしもし、海です。 ・・・・(電話番号が違うって聞かれてる様子)・・・・ いえ、彼氏の電話です。・・・・(彼氏が出来たのかって聞かれてる様子)・・・・ はい。で、はっきりしなくてごめんなさい。・・・・(何か言われてる)・・・・ そういうことです。では。 ありがとう。 」
「 お前、いいの? 今のじゃ傷つくよ。 」
「 大丈夫。 たぶん。 ねえ、手つないでいい? 」
「 ああ。 よろしくどうぞ。 」
・・・続く。。。・・・